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2026年5月23日

     

重度歯周病は改善できる?進行した場合の治療方法と再生療法の可能性

重度歯周病とは何か?症状と進行度の目安

重度歯周病は、歯周ポケットが6mm以上に広がり、歯槽骨が半分以上破壊された状態です。歯を支える骨が大幅に溶かされているため、放置すると自然に歯が抜け落ちるリスクが高まります。

  • 口の中がネバネバする
  • 口臭がかなり強くなった(腐った玉ねぎのような臭い)
  • 歯ぐきから膿が出る
  • 歯が大きくグラつき、食事に支障がある
  • 歯と歯のすき間が広がり、食べ物が挟まりやすい
  • 歯ぐきが大幅に下がり、歯が長く見える
  • 起床時に口内がねばつき血の味がする

歯周病は「歯を失う原因の第1位」とされており、自覚症状が少ないまま進行する点が最大の特徴です。少しでも心当たりがあれば、一刻も早く歯科医院を受診することが大切です。

軽度・中度・重度の違いは?

歯周病の進行度と治療期間の目安は次のとおりです。

  • 軽度:歯周ポケット3〜4mm程度、治療期間は約1か月
  • 中度:歯周ポケット4〜6mm程度、治療期間は約3か月
  • 重度:歯周ポケット6mm以上、治療期間は約6か月〜1年以上

重度になると、歯周病菌が放出する毒素によって歯槽骨の破壊が急速に進みます。歯周ポケットの奥深くに歯垢・歯石が大量に蓄積し、通常のブラッシングでは除去できない状態です。

重度歯周病の治療方法は?段階的アプローチを解説

重度歯周病でも、いきなり外科手術から始めるわけではありません。まず歯周基本治療で口腔環境を整えることが最優先です。

ステップ1:歯周基本治療

歯周基本治療は、歯周病の原因を根本から改善し、正常な口腔環境をつくることを目的とします。具体的には以下の内容が含まれます。

  • プラークコントロール:正しいブラッシング方法の指導
  • スケーリング(歯石除去):歯の表面・歯周ポケット内の歯垢・歯石を除去
  • PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング):専用機器を使った徹底的なクリーニング
  • 咬合調整:噛み合わせの負担を軽減

歯周基本治療では患者さん自身のセルフケアの質が非常に重要です。歯科医院でのプロフェッショナルケアと、ご自宅での丁寧なブラッシングを組み合わせることで、歯ぐきの炎症を落ち着かせていきます。

ステップ2:歯周外科治療

歯周基本治療で改善が不十分な場合、歯周外科治療が必要になります。歯根の深いところまで歯石が付着している場合は器具が届かないため、麻酔後に歯ぐきを切開して歯根を露出させ、確実に歯石を除去します。

  • フラップ手術(歯肉剥離掻爬術):歯ぐきを切開して歯根面の歯石・感染組織を直視下で除去する
  • 歯周補綴治療:グラつきのある歯をかぶせ物で固定し、噛み合わせを安定させる
  • 戦略的抜歯:中長期的に見てリスクになる歯は、残りの歯を守るために抜歯を選択することもある

歯周外科治療は、歯周基本治療で口腔環境を整えた後に行うことで、より高い効果が期待できます。

ステップ3:歯周組織再生療法

歯周病によって溶かされた骨や歯周組織を回復させるのが「歯周組織再生療法」です。代表的な薬剤として「リグロス」「エムドゲイン」などが使用されます。

再生療法(エムドゲイン・リグロス)とは何か?効果と違いを解説

歯周組織再生療法は、溶かされた歯槽骨・歯根膜・セメント質を再生させる治療法で、エムドゲインとリグロスが代表的な薬剤です。従来の歯周病治療では「感染源の除去」が中心でしたが、再生療法によって破壊された組織の回復が可能になりました。

エムドゲインとは?

エムドゲインは歯の発生時に重要な働きをするタンパク質(エナメルマトリックスタンパク質)を利用して、破壊された歯周組織の再生を促す治療法です。

  • 世界40か国以上で使用されており、全世界で100万症例以上の実績がある
  • エムドゲインゲルに直接起因した不具合報告は1例もなく、安全性が確認されている
  • 厚生労働省の認可を受けた治療法だが、健康保険は適用されない(自費診療)
  • 歯肉が歯根面に密着し、審美的な回復にもつながる

リグロスとは?

リグロスは、2016年に日本で保険適用が認められた歯周組織再生材料です。塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)を主成分とし、歯周組織の細胞増殖と血管新生を促進することで骨の再生を誘導します。エムドゲインとは異なり、保険診療で使用できる点が大きな特徴です。

GTR法(組織誘導再生法)とは?

GTR法は、歯周組織の欠損部に特殊な膜(メンブレン)を設置し、骨や歯根膜が再生するスペースを確保する治療法です。重度歯周病の治療期間はどのくらいかかるか?

重度歯周病の治療期間は、一般的に6か月〜1年以上が目安です。症状の進行度や治療内容によって大きく異なります。

平山歯科医院の解説によると、重度の場合は歯周ポケット内の歯石除去を数回に分けて行う必要があり、通院回数が多くなります。また、歯周外科治療や再生療法を組み合わせる場合はさらに期間が延びます。

  • 歯周基本治療のみ:3〜6か月程度
  • 歯周外科治療を含む場合:6か月〜1年程度
  • 再生療法・インプラント・矯正を組み合わせる場合:1年半〜2年半以上

鎌田歯科医院の症例では、重度歯周病の治療にインプラント・矯正・歯の移植を組み合わせた結果、治療期間が約2年半に及んだケースも報告されています。治療費は保険診療と自費診療の組み合わせで、自費分が約200万円に達することもあります(治療内容により変動)。

保険診療と自費診療の違いは?治療費の目安

歯周病治療は保険診療で受けることができますが、再生療法(エムドゲイン)などの一部は自費診療となります。治療の選択肢と費用感を把握しておくことが重要です。

  • 保険診療:スケーリング・歯石除去・フラップ手術・リグロスによる再生療法などが対象
  • 自費診療:エムドゲインによる再生療法・一部の歯周外科治療・審美的な補綴治療など

平山歯科医院によると、保険診療では一度の来院で治療できる範囲が定められているため、重症化している場合は通院回数が増え、身体的・経済的な負担が大きくなります。一方、自費診療では定められたルールがないため、短期間で症状を改善できる場合もあります。

治療費の目安は症状・治療内容・医院によって大きく異なるため、初診時に詳しい説明を受けることをおすすめします。

再生医療の最新動向は?幹細胞・歯髄再生・第3の歯の可能性

歯科における再生医療は急速に進歩しており、歯髄再生治療はすでに実用化されています。歯髄幹細胞を活用した「歯髄再生治療」は、失われた歯髄を再生させ、歯の強度回復や二次虫歯予防に効果が期待できます。

歯髄再生治療とは?

歯髄再生治療は、親知らずや乳歯などから採取した歯髄幹細胞を100万個以上に培養し、根管内に移植する治療法です。早い方で約3か月、遅い方でも約6か月で歯髄の再生が確認できるとされています。ただし、治療できる歯科医院が限られており、保険適用外である点に注意が必要です。

脂肪組織由来幹細胞(ADSC)を使った歯周組織再生の研究

脂肪組織由来未分化間葉系幹細胞(ADSC)とフィブリン製剤を組み合わせた新規歯周組織再生療法の研究が進んでいます。ビーグル犬歯周病モデルを使った実験では、ADSC含有移植材投与部位で新生骨の形成量が多く、歯周組織再生を効果的に誘導する可能性が示唆されました。

「第3の歯」を生やす再生医療の最前線

京都大学発バイオベンチャー「トレジェムバイオファーマ」が開発中の「USAG-1阻害薬(TRG-035)」は、2024年11月から京都大学病院で第I相臨床試験が進行中です。順調に進めば、2030年頃に先天性無歯症などの特定患者向けに実用化、2032年以降に一般成人への適用拡大が見込まれています。

重度歯周病を予防・再発させないためには何をすべきか?

重度歯周病の治療後に最も重要なのは、再発を防ぐための定期メンテナンスと正しいセルフケアの継続です。治療が成功しても、メンテナンスを怠ると歯周病は再発します。

定期検診・定期メンテナンスの重要性

鎌田歯科医院の症例では、治療終了から8年後も3か月に1度のメンテナンスを継続することで、良好な状態を維持しているケースが報告されています。定期メンテナンスでは以下のことを行います。

  • 歯周ポケットの深さ・出血の有無を定期的にチェック
  • PMTC(プロフェッショナルメカニカルトゥースクリーニング)による徹底クリーニング
  • 噛み合わせの確認と必要に応じた調整
  • フッ素塗布による歯の表面強化・虫歯予防

正しいブラッシング指導の重要性

歯周病の再発を防ぐには、患者さん一人ひとりの磨き残しのクセや汚れが溜まりやすい場所を把握したうえで、正しいブラッシング方法を身につけることが不可欠です。「しっかり磨いているつもりなのに歯周病が再発する」という方も、プロの指導によって自分に合ったケア方法を知ることで、口腔環境が改善しやすくなります。

生活習慣の見直し

  • 禁煙:喫煙は歯周病の最大リスク因子のひとつ。喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病が重症化しやすい
  • 血糖コントロール:糖尿病がある方は内科と連携した管理が必要
  • バランスの良い食事と十分な睡眠:免疫力を維持することが歯周病予防につながる

鈴木歯科医院では、「治す」だけでなく「守る」ことを大切にした予防歯科に力を入れています。重度歯周病の治療後も、PMTC・ブラッシング指導・フッ素塗布・定期検診を組み合わせた患者さん一人ひとりに合わせた予防プログラムで、大切な歯を長く守るサポートをしています。「いつまでも自分の歯で食事を楽しみたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問

重度歯周病は完治しますか?

歯周病は完治が難しい病気とされています。治療の目的は炎症を抑えて健康な状態を長く維持することです。定期メンテナンスを継続することで、良好な状態を保つことができます。

重度歯周病でも歯を残せますか?

歯周基本治療・外科治療・再生療法を組み合わせることで、多くのケースで歯を残せる可能性があります。ただし、骨の破壊が著しい場合は抜歯が必要になることもあります。まず専門医に診てもらうことが重要です。

歯周組織再生療法(エムドゲイン)は保険適用ですか?

エムドゲインは厚生労働省の認可を受けた治療法ですが、健康保険は適用されない自費診療です。一方、リグロスは2016年から保険適用が認められています。

重度歯周病の治療費はどのくらいかかりますか?

保険診療のみであれば比較的費用を抑えられますが、再生療法・インプラント・矯正を組み合わせる場合は自費分だけで100万〜200万円以上になることもあります。治療内容により大きく異なるため、初診時に詳しく確認しましょう。

重度歯周病の治療はどのくらいの期間かかりますか?

重度歯周病の治療期間は6か月〜1年以上が目安です。再生療法や補綴治療を組み合わせる場合は2年以上かかることもあります。早期に受診するほど治療期間を短縮できます。

歯周病と糖尿病は関係がありますか?

歯周病と糖尿病は互いに悪化させ合う関係にあります。糖尿病がある方は歯周病が重症化しやすく、歯周病治療によって血糖コントロールが改善するケースもあります。内科と歯科の連携が重要です。

歯周病の再発を防ぐにはどうすればよいですか?

治療後の定期メンテナンス(3〜6か月ごと)と正しいブラッシングの継続が最も重要です。PMTCや歯周ポケットのチェックを定期的に受けることで、再発を早期に発見・対処できます。

歯磨きで血が出るのは歯周病のサインですか?

歯磨き時の出血は歯周病の初期症状のひとつです。痛みがなくても放置すると重度に進行する恐れがあります。出血が続く場合は早めに歯科医院を受診することをおすすめします。

再生医療で歯を再生できますか?

歯周組織の再生(骨・歯根膜の回復)はエムドゲインやリグロスで実用化されています。歯そのものを再生する「第3の歯」技術は現在臨床試験段階で、2030年頃の実用化が見込まれています。

重度歯周病の予防に定期検診は必要ですか?

定期検診は重度歯周病の予防に不可欠です。自覚症状が出る前に異常を早期発見でき、PMTCや専門的なクリーニングで歯周病の進行を食い止めることができます。

まとめ

重度歯周病は、歯周基本治療・外科治療・再生療法(エムドゲイン・リグロスなど)を段階的に組み合わせることで改善が期待できます。治療期間は6か月〜1年以上かかりますが、早期受診ほど歯を残せる可能性が高まります。治療後は3〜6か月ごとの定期メンテナンスとPMTC・ブラッシング指導を継続することが再発防止の鍵です。「まだ間に合うか」と悩む前に、まず専門医に相談することが、大切な歯を守る第一歩です。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。

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