2026年1月16日
インプラントと金属アレルギーの関係とは?素材選びの考え方

インプラント治療を検討されている方の中には、「金属アレルギーがあるけれど、インプラントは大丈夫なのだろうか・・・」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インプラントには主に**チタン**という金属が使われています。
チタンは生体との相性が良く、医科では心臓ペースメーカーや人工関節などにも使用されている素材です。
ただし、まれなケースではありますが、金属アレルギーの反応を引き起こす可能性も考えられます。
今回は、インプラント治療における金属アレルギーのリスクと対策、チタンとジルコニアという素材の違い、そして事前にできるアレルギー検査について詳しく解説します。
金属アレルギーが心配な方でも安心してインプラント治療を受けられるよう、正しい知識を持つことが大切です。
インプラントに使われる素材とチタンの特徴

現在のインプラント治療で最も広く使用されているのが**チタン**という金属です。
チタンは医療分野で長年使われてきた実績があり、信頼性の高い素材として知られています。
チタンが選ばれる理由
チタンは高い**生体親和性**と強度を持ち合わせています。
生体親和性とは、身体とのなじみが良いという意味です。
チタンが選ばれる主な理由は次の通りです。
- 身体とのなじみが良く、生体親和性が高い
- 表面に保護膜ができて、金属が体に溶け出しにくくなる
- 強度や耐久性も優れており、しっかり噛んでも壊れにくい
- 骨との結合力が強く、長期的に安定しやすい
チタンは他の金属(ニッケル、コバルト、クロムなど)と比べて、アレルギーリスクが低いとされています。
実際、医科の分野でも心臓ペースメーカーや人工関節など、体内に長期間埋め込む医療機器に広く使われています。
チタンでもアレルギーのリスクはゼロではない
ただし、金属である以上、金属アレルギーのリスクがまったくないわけではありません。
チタンインプラントといっても「チタン100%」ではなく、強度や加工性を高めるために他の金属を添加することがあります。
そのため、合金成分に金属アレルギーを引き起こす成分が含まれていると、アレルギーリスクが高くなる可能性があります。
また、インプラント手術中やインプラント周囲炎などで表面が摩耗・破損し、金属片やイオンが溶け出すことでアレルギー誘発の可能性が考えられます。
金属アレルギーの既往がある方や、アクセサリーでかぶれた経験がある方は、事前に検査を受けることをお勧めします。
チタンアレルギーの発症リスクと仕組み

チタンによるアレルギー反応は非常に少なく、まれなケースです。
しかし、金属アレルギーの仕組みを理解しておくことは、治療前の不安を軽減するために役立ちます。
発症頻度はどの程度か
多くのインプラント専門の歯科医院でも、「金属アレルギーがあってもインプラント治療は可能」という認識が一般的です。
その理由として、チタンの低アレルギー性が挙げられます。
実際、チタンアレルギーの発症頻度は他の金属と比べて極めて低いことが報告されています。
ただし、金属アレルギーが心配な方は、事前にアレルギー検査をすることでリスクを確認できます。
金属アレルギーが発生する仕組み
金属アレルギーは、主に「遅延型アレルギー」と呼ばれるタイプです。
これは、すぐに症状が出るのではなく、金属から溶け出した微量なイオンが体のたんぱく質と結びつき、体が”異物”と判断してしまうことで起こります。
その結果、免疫細胞が反応して炎症を引き起こすのですが、この反応はすぐに出るわけではありません。
症状が出るまでに数週間から数ヶ月、場合によってはもっと長くかかることもあります。
そのため、原因の特定に時間がかかることがあり、歯科では昔入れた銀歯が原因で金属アレルギーを引き起こすケースが分かっています。
インプラント治療後に口内や皮膚に異常が現れた場合は、金属アレルギーの可能性も考慮する必要があります。
金属アレルギーで起こりやすい症状
歯科用金属でアレルギー反応が出やすいのは、保険適用ができる銀歯が多いです。
歯科金属がアレルギーの原因となる場合、次のような症状が報告されています。
口腔扁平苔癬(こうくうへんぺいたいせん)とは
口腔扁平苔癬とは、口の粘膜(舌・頬の内側・歯ぐきなど)に炎症や白いレース状の模様が現れる病気です。
粘膜がざらついたり、ただれ(びらん)を伴ったりすることもあります。
主な自覚症状には下記のようなものがあります。
- 粘膜の赤みや腫れ
- しみる・ヒリヒリする痛み
- 味覚の異常
- 粘膜の違和感
インプラント治療後、これまで見られなかった口内の異常や痛みが突然現れた場合は、金属アレルギーが関係した口腔扁平苔癬の可能性も考えられます。
口腔扁平苔癬は、ストレスや免疫異常など複数の要因が関与していますが、歯科金属が原因となるケースも報告されています。
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)とは
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれができる皮膚の疾患です。
症状は、かゆみや痛みを伴うこともあり、繰り返し発症することがあります。
インプラント金属が原因となる場合、掌蹠膿疱症の発症や悪化と関連づけられた報告がまれにあります。
実際に、歯科金属やインプラントを除去したことで皮膚症状が落ち着いた例も確認されています。
また、皮膚症状と口腔の粘膜症状(口腔扁平苔癬など)が併発するケースもあり、そのような場合は金属アレルギーとの関連を疑う必要があります。
掌蹠膿疱症は、歯科金属以外にも喫煙や扁桃炎などが原因となることもあるため、総合的な診断が必要です。
事前にできる金属アレルギー検査

金属アレルギーが心配な方は、インプラント治療前に以下のような金属アレルギー検査を受けることができます。
治療前に検査を行っておくことで、金属アレルギーのリスクを減らすことができます。
パッチテスト
パッチテストは、皮膚に金属を貼って反応を見る検査方法です。
背中や腕などに金属を含んだシールを貼り、48時間後と72時間後に反応を確認します。
赤みや腫れ、かゆみなどの症状が出た場合、その金属に対してアレルギーがあると判断されます。
パッチテストは皮膚科で受けることができ、保険適用となる場合もあります。
検査期間中は、貼付部位を濡らさないようにする必要があるため、日常生活に多少の制限が生じます。
LTT検査(リンパ球刺激試験)
LTT検査は、血液を採取して、リンパ球が特定の金属に対してどのように反応するかを調べる検査です。
パッチテストでは検出できない金属アレルギーも発見できる可能性があります。
ただし、保険適用外であることが多く、費用相場も事前に把握しておく必要があります。
LTT検査は、パッチテストで陰性だったにもかかわらず、金属アレルギーが疑われる場合に有効です。
検査の重要性
金属アレルギーは皮膚にだけ現れるという思い込みは非常に危険です。
特にインプラント治療を検討している方で、過去にアクセサリーでかゆみを感じた経験がある人や、体質的にアレルギーが出やすい人は、必ず事前に検査を受けてから治療を進めるべきです。
検査を受けることで、安心して治療に臨むことができます。
また、検査結果をもとに、チタンインプラントが適しているか、ジルコニアインプラントを選択すべきかを判断することができます。
チタン以外の選択肢:ジルコニアインプラント
金属アレルギーのリスクを避けたい方には、**ジルコニア**という素材を使ったインプラントという選択肢もあります。
ジルコニアの特徴
ジルコニアはセラミックの一種で、金属を一切含まない素材です。
そのため、金属アレルギーは生じません。
ジルコニアの主な特徴は以下の通りです。
- 金属を含まないため、金属アレルギーのリスクがない
- 白色で審美性に優れている
- 生体親和性が高い
- 強度もある程度確保されている
- 金属の透けがないため、前歯部でも自然な仕上がり
ジルコニアは、金属アレルギーが心配な方だけでなく、審美性を重視する方にも適した素材です。
チタンとジルコニアの比較
チタンとジルコニアには、それぞれメリットとデメリットがあります。
素材
生体親和性
アレルギーリスク
審美性
強度
チタン
非常に高い
極めて低いがゼロではない
やや金属色が透けることあり
非常に高い
ジルコニア
高い
金属を含まないため生じない
白色で自然
高い(チタンよりやや劣る)
どちらの素材を選ぶかは、患者さんの状態やニーズによって異なります。
金属アレルギーが心配な方や、審美性を重視する方には、ジルコニアが適している可能性があります。
一方、強度や長期的な実績を重視する方には、チタンが適しているでしょう。
当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適な素材選びをサポートしています。
鈴木歯科医院のインプラント治療における取り組み

当院では、「間違いのないインプラント治療」を目指し、CT画像と3Dシミュレーションを使って、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」を導き出してから治療を進めています。
使用するインプラントと素材へのこだわり
当院では、世界的に実績のある**ノーベルバイオケア社製**のインプラントを使用しています。
本体だけでなく、仮歯の土台や最終的な被せものを固定するネジに至るまで純正パーツを採用し、長期的な安定性を重視しています。
さらに、近年問題になりやすいインプラント周囲炎を予防するため、セメントを使わない**ネジ固定式+フルジルコニア**の被せものを標準としています。
お手入れしやすく清潔な状態を保ちやすい設計にしている点も特徴です。
フルジルコニアの被せものは、金属を含まないため、金属アレルギーのリスクを軽減する効果もあります。
金属アレルギーへの配慮
金属アレルギーが心配な方には、事前に検査をお勧めすることもあります。
また、ジルコニアを使用した上部構造を標準採用することで、金属アレルギーのリスクを軽減する取り組みも行っています。
患者さん一人ひとりの状態に合わせて、最適な素材選びをサポートします。
金属アレルギーの既往がある方や、アクセサリーでかぶれた経験がある方は、カウンセリング時にお気軽にご相談ください。
安全性と精度を重視した治療
当院では、500例以上のインプラント治療経験を持つドクターが担当し、他院で「難しい」と言われた方の相談にも対応しています。
手術は局所麻酔をしっかり効かせたうえで行うため、できるだけ痛みを抑え、通院回数や治療期間の負担を減らすことにも配慮しています。
必要に応じて骨を作る手術(骨造成)やガイデッドサージェリーも行い、シミュレーション通りの位置に精密に埋入していきます。
治療後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントを長く快適に使っていただけるようサポートしています。
インプラント周囲炎の予防には、定期的なメインテナンスが欠かせません。
まとめ
インプラント治療における金属アレルギーのリスクは、チタンの場合は非常に低いですが、ゼロではありません。
金属アレルギーが心配な方は、事前にパッチテストやLTT検査を受けることで、リスクを確認することができます。
また、金属を一切含まないジルコニアインプラントという選択肢もあります。
当院では、患者さん一人ひとりの状態やニーズに合わせて、最適な素材選びと治療計画をご提案しています。
CT画像と3Dシミュレーションを使った精密な治療計画、ノーベルバイオケア社製の高品質なインプラント、フルジルコニアの被せものによる金属アレルギーへの配慮など、安心して治療を受けていただける環境を整えています。
インプラント治療をご検討中で、金属アレルギーについて不安がある方は、お気軽にご相談ください。
監修医師
鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴
宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業
宇都宮高校 卒業
昭和大学歯学部 卒業
千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)
千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員
安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務
オーキッド歯科クリニック 勤務
オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任
鈴木歯科医院 副院長 就任
所属
公益社団法人日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
挨拶
はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。