2026年1月8日
インプラントの寿命はどれくらい?長持ちさせるためのポイントを歯科医が解説

インプラントの寿命について知っておきたいこと
「インプラント治療を受けたいけれど、どれくらい持つのだろう?」
このような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。インプラントは保険が適用されない自由診療のため、費用が高額になります。だからこそ、できるだけ長く使いたいと考えるのは当然のことです。
インプラントは「第二の永久歯」とも呼ばれ、適切なケアを行えば長期間にわたって機能し続けることができます。実際に、世界で最初にインプラント治療を受けた患者さんのインプラントは、41年間も口腔内でしっかりと機能し続けたという記録があります。
しかし、インプラントを長持ちさせるためには、いくつかの重要なポイントを押さえておく必要があります。今回は、インプラントの寿命や長持ちさせるための具体的な方法について、詳しく解説していきます。
インプラントの平均寿命と生存率
一般的なインプラントの寿命
インプラントの平均寿命はどれくらいなのでしょうか?
一般的には、インプラントの平均寿命は10年から15年程度とされています。厚生労働省が発表している調査によると、部分的あるいは全ての歯を欠損した症例での10~15年後の生存率は、上顎で約90%、下顎で約94%という結果が報告されています。
これは、入れ歯の寿命が約3~5年程度、ブリッジが7~8年程度であることと比較すると、インプラントがいかに長持ちする治療法であるかがわかります。初期費用は高額になりますが、長期的な視点で見れば、コストパフォーマンスに優れた選択肢といえるでしょう。
条件による寿命の違い
インプラントの寿命は、埋入部位や埋入時の条件によっても左右されます。骨移植を伴うケースや抜歯後すぐにインプラントを埋入したケースでは、10~15年後の生存率は87~92%程度と報告されています。
また、適切な治療とメンテナンスを継続することで、20年以上、さらには40年以上も機能し続けるケースも珍しくありません。つまり、インプラントの寿命は「どのように管理するか」によって大きく変わってくるのです。
インプラントを長持ちさせるための3つの重要ポイント
①定期的なメンテナンスを受ける

インプラントを長持ちさせるために最も重要なのが、定期的なメンテナンスです。
「インプラントを埋入して終わり」というわけではありません。インプラント自体は虫歯になることはありませんが、インプラント周囲炎という歯周病に似た病気にかかる可能性があります。インプラント周囲炎は、インプラントが脱落する最も多い原因とされています。
当院では、4ヵ月に1度のペースでメンテナンスにお越しいただくことをお勧めしています。メンテナンスでは、口腔内のチェック、かみ合わせの調整、歯の清掃、ブラッシング指導などを行います。必要に応じてレントゲン撮影も実施し、目に見えない部分の状態も確認します。
定期的なメンテナンスは、インプラントだけでなく、残っている天然歯を守ることにもつながります。お口全体の健康を維持するためにも、メンテナンスを継続することが大切です。
②徹底したセルフケアを心がける
日々のセルフケアも、インプラントの寿命を左右する重要な要素です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、プラーク(歯垢)が付着すると、インプラント周囲炎を引き起こす原因となります。毎日の丁寧な歯磨きで、プラークをしっかりと除去することが必要です。
特に、インプラントと歯茎の境目、隣接する歯との間などは、プラークが溜まりやすい部分です。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスなども活用して、細かい部分まで清潔に保つよう心がけましょう。
正しいブラッシング方法については、メンテナンスの際に歯科衛生士が丁寧に指導いたしますので、ご自身のお口に合ったケア方法を身につけていただければと思います。
③生活習慣に気をつける
インプラントの寿命には、日常の生活習慣も影響します。
特に注意したいのが、喫煙です。たばこに含まれるニコチンは血行を悪くし、免疫力を低下させます。その結果、歯茎の炎症が起こりやすくなり、インプラント周囲炎のリスクが高まります。喫煙者は非喫煙者と比べて、インプラント周囲炎になる確率が高いことが報告されています。
また、歯ぎしりや食いしばりにも注意が必要です。人が噛む力は思っている以上に強く、就寝中など無意識の状態では数百kg〜1トン近くの力が加わることもあります。このような強い力が継続的にかかると、インプラントに負担がかかり、破損や脱落の原因となる可能性があります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、マウスピースなどの対策が有効です。気になる症状がある場合は、遠慮なくご相談ください。
当院のインプラント治療の特徴
CT画像と3Dシミュレーションによる精密な治療計画

インプラントを長持ちさせるためには、最初の治療が非常に重要です。
当院では、歯を失った部分にいきなりインプラントを埋めるのではなく、CT画像と3Dシミュレーションを使って、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」を導き出してから治療を進めます。
シミュレーション通りの位置に精密に埋入するため、必要に応じて骨を作る手術(骨造成)やガイデッドサージェリーも行います。骨が足りない場合でも、適切な処置を行うことで、インプラント治療が可能になるケースは多くあります。
世界的に実績のあるインプラントシステムを使用
使用するインプラントは、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社製です。
本体だけでなく、仮歯の土台や最終的な被せものを固定するネジに至るまで純正パーツを採用し、長期的な安定性を重視しています。インプラントメーカーによって材質や形、精度が異なるため、信頼できるメーカーを選ぶことは、インプラントの寿命にも影響します。
インプラント周囲炎を予防する設計
近年、インプラント周囲炎が問題になるケースが増えています。
当院では、インプラント周囲炎を予防するため、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準としています。セメントが残ると炎症の原因となるため、ネジ固定式にすることで、お手入れしやすく清潔な状態を保ちやすい設計にしています。
フルジルコニアは、汚れが付きにくく、見た目も自然で美しい素材です。長期的な安定性と審美性を両立させることができます。
500例以上の治療経験を持つドクターが担当
インプラントの寿命には、歯科医師の技術力も影響します。
当院では、500例以上のインプラント治療経験を持つドクターが担当します。フラップレス手術や骨造成を伴うケース、複数本の埋入が必要なケースまで、さまざまな症例に対応しています。他院で「難しい」と言われた方の相談にも応じていますので、お気軽にご相談ください。
手術は局所麻酔をしっかり効かせたうえで行うため、できるだけ痛みを抑え、通院回数や治療期間の負担を減らすことにも配慮しています。
インプラント治療を受ける前に知っておきたいこと

保証制度について
「万が一、インプラント治療に失敗してしまったら…」と不安を感じている方も多いでしょう。
最近では、患者様が安心して治療を受けられるよう、インプラントの保証制度を設けている歯科医院が増えています。保証対象となる費用や保証年数は医院により異なりますので、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
ただし、医院の指定どおりにメンテナンスを受けていない、医師の指示どおりに禁煙できない、といった場合には、トラブルが起きたとしても保証対象外となるケースもあります。保証を受けるためには、患者様ご自身の協力も不可欠です。
治療のリスクについて
インプラント治療は外科処置を伴う自由診療です。
術後の腫れや痛み、インプラント周囲の炎症・脱落などのリスクがあり、良好な経過のためには日々のケアと定期検診が欠かせません。これらのリスクについて十分に理解したうえで、治療を受けるかどうかを判断していただくことが大切です。
当院では、カウンセリング時に十分な説明を行い、患者様が納得されたうえで治療を進めるよう心がけています。不安な点や疑問点があれば、どんなことでもお気軽にお尋ねください。
まとめ:インプラントを一生ものにするために
インプラントの平均寿命は10年から15年程度とされていますが、適切なケアを行えば、20年以上、さらには40年以上も機能し続けることが可能です。
インプラントを長持ちさせるためには、以下の3つのポイントが重要です。
- 定期的なメンテナンスを受けること
- 徹底したセルフケアを心がけること
- 喫煙や歯ぎしりなどの生活習慣に気をつけること
また、インプラントの寿命は、最初の治療の質によっても大きく左右されます。CT画像と3Dシミュレーションを使った精密な治療計画、信頼できるインプラントシステムの使用、経験豊富なドクターによる治療など、治療前の準備が非常に重要です。
当院では、「間違いのないインプラント治療」を目指し、見た目と噛み心地の両方を考えた治療プランをご提案しています。転倒で前歯が折れてしまったケースや、他院で「骨が足りないのでインプラントは難しい」と言われたケースなど、さまざまな症例でインプラントと骨造成を組み合わせた治療を行い、長期的な経過も良好です。
治療後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントを長く快適に使っていただけるようサポートしています。
インプラント治療に興味はあるけれど、「痛くないかな?」「ちゃんと長持ちするかな?」と不安に感じている方は、まずはカウンセリングでじっくりご相談ください。あなたのお口の状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
「自分の歯のようにしっかり噛める状態を長く保つこと」を大切に、一緒にお口の健康を守っていきましょう。
監修医師
鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴
宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業
宇都宮高校 卒業
昭和大学歯学部 卒業
千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)
千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員
安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務
オーキッド歯科クリニック 勤務
オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任
鈴木歯科医院 副院長 就任
所属
公益社団法人日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
挨拶
はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。