2026年1月7日
インプラントで後悔しないために|失敗しやすい理由と避けるポイントを歯科医が解説

インプラント治療で後悔する方が増えている現状
インプラント治療に興味はあるけれど、「失敗したらどうしよう」と不安を感じる方は少なくありません。
実際に、インプラント治療後に「噛み合わせに違和感がある」「歯ぐきが腫れやすい」「見た目が気になる」といったトラブルを抱えて相談に来られる方もいらっしゃいます。インプラントは天然歯に近い機能と見た目を取り戻せる優れた治療法ですが、外科手術を伴うため、適切な診断と丁寧な治療計画がなければトラブルにつながる可能性があります。
近年、インプラント治療の技術や設備が多くの歯科医院に普及したことで、以前よりも気軽に治療を受けられる環境が整ってきました。その一方で、十分な説明がないまま治療が進められたり、患者さまの状態に合わない治療法が選ばれたりするケースも見受けられます。
インプラント治療は決して安価ではありませんし、一度埋め込んだインプラントを取り除くことは患者さまにとって大きな負担となります。だからこそ、治療を受ける前に「どのようなトラブルが起こりうるのか」「なぜ失敗が起きるのか」をしっかりと理解しておくことが大切です。
インプラント治療で起こりやすいトラブルとその原因
インプラント治療では、いくつかの段階でトラブルが発生する可能性があります。
ここでは、手術直後から数年後まで、時期ごとに起こりやすいトラブルとその原因を詳しく見ていきます。
手術直後から数ヶ月に起こる初期トラブル

手術後、痛みや腫れが1週間以上続く場合は注意が必要です。
通常、手術後2〜3日をピークに痛みや腫れは徐々に引いていきますが、1週間を過ぎても強い痛みが続いたり、一度引いた腫れが再び悪化したりする場合は、細菌感染や組織の過度な損傷が考えられます。また、インプラント体への早期の過剰な負担も原因となることがあります。
出血が止まらないケースもあります。手術当日から翌日にかけて唾液に血が混じる程度であれば問題ありませんが、口の中が血でいっぱいになるような出血が続く場合は、縫合した傷口が開いてしまったり、太い血管を傷つけてしまったりした可能性があります。
下顎のインプラント手術では、ごく稀に唇や顎に麻痺やしびれが残ることがあります。これは、インプラントを埋め込む際に顎の骨の中を通る神経を傷つけたり圧迫したりすることが原因です。多くの場合は一時的なもので数週間から数ヶ月で回復しますが、術前のCT撮影による精密な診断が非常に重要です。
インプラント体が早期に抜けてしまうトラブルもあります。インプラント体と骨がうまく結合せず、グラグラしてきたり自然に抜け落ちたりするケースです。患者さまの骨質が非常に柔らかかった、骨の量が不足していた、初期固定が不十分だった、喫煙や糖尿病などにより治癒が妨げられたといった要因が挙げられます。
数ヶ月から数年後に起こる中期的トラブル
インプラントが骨と結合し、被せものを装着して食事ができるようになった後にも、トラブルが発生することがあります。
最も注意が必要なのは「インプラント周囲炎」です。これは、インプラント周辺の組織が細菌に感染して炎症を起こす疾患で、歯周病に似た症状が現れます。初期段階では歯ぐきからの出血程度の軽い症状しか見られませんが、炎症が進行するとインプラントを支える骨が影響を受け、最悪の場合はインプラントが脱落する恐れがあります。
インプラント周囲炎の主な原因は、日頃のメンテナンス不足です。インプラントにプラーク(歯垢)が付着することで引き起こされるため、日々の歯磨きや定期的な歯のクリーニングを怠ることでかかりやすくなります。また、手術中の不十分な衛生管理も原因の一つとなります。
かみ合わせの悪化も中期的なトラブルとして挙げられます。食べ物を噛んだときに引っ掛かりや痛みを感じる、会話中に舌が動かしにくいと感じる場合、かみ合わせが悪くなっている可能性があります。かみ合わせの悪さは、虫歯や歯周病、顎関節症だけではなく、頭痛、肩こり、腰痛などの全身症状を招くこともあります。
インプラントの部品同士をつなぐネジの締め付けが不十分な場合も、インプラントがぐらついたり脱落したりする原因となります。
インプラント治療で失敗が起こる主な理由
なぜインプラント治療で失敗やトラブルが起きるのでしょうか。
その背景には、いくつかの共通した理由があります。
事前の診査・診断が不十分なケース

インプラント治療において、事前の診査・診断は極めて重要です。
歯科用CTによる検査を行わず、患者さまの骨の状態や神経の位置を十分に把握しないまま手術を進めると、下歯槽神経の麻痺や上顎洞炎といった重大なトラブルにつながる可能性があります。歯科用CTは、歯やあごの断面を3次元的に撮影できる医療機器で、神経や血管の状態まで正確に把握することができます。
また、インプラントを埋め込む位置や角度、深さが適切でない場合、インプラント体と骨が結合しにくくなったり、施術後のインプラントに大きな負担がかかったりして、ぐらつきや脱落が起こります。
手術技術や衛生管理の問題
インプラント体を埋め込むためにドリルで骨に穴をあける際、ドリルが高温になることで骨が損傷してしまう「オーバーヒート」が起こることがあります。
骨が損傷すると、インプラント体とあごの骨が結合しにくくなってしまいます。また、手術中の衛生管理が徹底されていなければ、感染症のリスクが高まります。インプラントは外科手術による治療であるため、手術中の衛生管理は非常に重要です。
患者さまの状態に合わない治療法の選択
すべての患者さまにインプラント治療が最適とは限りません。
骨の量が不足している、全身疾患がある、喫煙習慣があるといった場合、インプラント治療のリスクが高まることがあります。しかし、こうしたリスクやデメリットについて十分な説明がないまま、「歯を抜かなければいけないから」という理由だけでインプラント治療が勧められるケースも見受けられます。
インプラント治療の専門家は、「そもそも本当にこの患者さまにインプラント治療が最適なのか」「インプラント治療以外の治療の方が良いのではないか」というように、メリットだけでなく将来起きるかもしれないトラブルやリスクなどのデメリットも慎重に見極めて治療法を選択しています。
術後のケアやメンテナンス不足
インプラント治療は、手術が終わったら終わりではありません。
手術後の正しい口腔ケアと定期的な歯科診療が、インプラント周囲の衛生を保ち、長期的なインプラントの状態を保つことにつながります。日常の歯磨きなどのセルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスが行えていなければ、インプラントの周囲に汚れが蓄積して感染症が起こりやすくなります。
インプラントで後悔しないために確認すべきポイント

では、インプラント治療で後悔しないためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
治療を受ける前に確認しておきたい重要なポイントをご紹介します。
経験豊富で信頼できる歯科医を選ぶ
インプラント治療の成功は、歯科医の技術や経験に大きく左右されます。
治療実績が豊富で、インプラント治療に関する専門的な知識と技術を持つ歯科医を選ぶことが大切です。また、治療前にしっかりと時間をかけてカウンセリングを行い、メリットだけでなくデメリットやリスクについても丁寧に説明してくれる歯科医であることが重要です。
当院では、500例以上のインプラント治療経験を持つ歯科医師が担当し、他院で「難しい」と言われた方の相談にも対応しています。
CT撮影と3Dシミュレーションによる精密な診断
歯科用CTによる検査は、インプラント治療において必須です。
CT撮影によって、骨の量や質、神経や血管の位置を正確に把握することができます。さらに、3Dシミュレーションを使って、見た目と噛み合わせのバランスを踏まえた「一番良い位置」をしっかり計画することで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。
当院では、CT画像と3Dシミュレーションを使った精密な治療計画を立て、必要に応じてガイデッドサージェリーという「ズレを極力少なくする手術方法」で、計画通りの位置にインプラントを入れていきます。
使用するインプラントの品質と材料
インプラント本体の品質も、長期的な成功に大きく影響します。
世界的に実績のあるメーカーのインプラントを使用し、本体だけでなく土台やネジまで純正品で統一することで、長期的な安定性を確保できます。当院では、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社製のインプラントを使用し、仮歯の土台や最終的な被せものを固定するネジに至るまで純正パーツを採用しています。
また、被せものの材料も重要です。近年問題になりやすいインプラント周囲炎を予防するため、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準とすることで、お手入れしやすく清潔な状態を保ちやすい設計にしています。
治療前に複数の選択肢を検討する

インプラント治療が唯一の選択肢とは限りません。
ブリッジや部分入れ歯など、他の治療法と比較検討することも大切です。実際に、他院でインプラント治療を勧められた方がセカンドオピニオンとして来院されても、慎重に診断してみると、インプラント以外の治療の方が最適だと判断されるケースは少なくありません。
インプラント治療の専門医であればあるほど、インプラント治療に慎重になり、インプラント以外の治療法が最善なのではないかと徹底的に考えています。少しでもインプラント治療に不安や心配を感じているならば、治療前に一度は必ず、インプラント以外の治療法も含めてしっかりと見極めてくれる経験豊富なインプラント専門医にセカンドオピニオンの相談をしてみることをお勧めします。
術後のメンテナンス体制を確認する
インプラント治療後の定期的なメンテナンスは、長期的な成功に欠かせません。
治療を受ける歯科医院が、術後のメンテナンス体制をしっかりと整えているか確認しましょう。定期的な検診やクリーニングを通じて、インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見し、適切な対処ができる体制が重要です。
当院では、治療後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントと残っている歯を一緒に守っていくことを重視しています。
当院のインプラント治療へのこだわり
宇都宮市の鈴木歯科医院では、「間違いのないインプラント治療」を目指しています。
歯を失った部分にただインプラントを埋めるのではなく、CT画像と3Dシミュレーションを使って、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」を導き出してから治療を進めます。必要に応じて骨を作る手術(骨造成)やガイデッドサージェリーも行い、シミュレーション通りの位置に精密に埋入していきます。
手術は局所麻酔をしっかり効かせたうえで行うため、できるだけ痛みを抑え、通院回数や治療期間の負担を減らすことにも配慮しています。フラップレス手術や骨造成を伴うケース、複数本の埋入が必要なケースまで、500例以上のインプラント治療経験を持つドクターが担当し、他院で「難しい」と言われた方の相談にも対応しています。
使用するインプラントは、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社製です。本体だけでなく、仮歯の土台や最終的な被せものを固定するネジに至るまで純正パーツを採用し、長期的な安定性を重視しています。さらに、近年問題になりやすいインプラント周囲炎を予防するため、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準とし、お手入れしやすく清潔な状態を保ちやすい設計にしている点も特徴です。
実際には、転倒で前歯が折れてしまったケースや、他院で「骨が足りないのでインプラントは難しい」と言われたケースなど、さまざまな症例でインプラントと骨造成を組み合わせた治療を行い、長期的な経過も良好です。治療後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントを長く快適に使っていただけるようサポートしています。
まとめ|後悔しないインプラント治療のために
インプラント治療は、適切な診断と丁寧な治療計画、そして術後のケアによって、多くの患者さまに大きなメリットをもたらします。
しかし、事前の診査が不十分だったり、手術技術や衛生管理に問題があったり、患者さまの状態に合わない治療法が選ばれたりすると、トラブルや失敗につながる可能性があります。
インプラント治療で後悔しないためには、経験豊富で信頼できる歯科医を選び、CT撮影と3Dシミュレーションによる精密な診断を受け、使用するインプラントの品質を確認し、治療前に複数の選択肢を検討することが大切です。また、術後のメンテナンス体制がしっかりと整っているかも重要なポイントです。
インプラント治療は外科処置を伴う自由診療です。術後の腫れや痛み、インプラント周囲の炎症・脱落などのリスクがあり、良好な経過のためには日々のケアと定期検診が欠かせません。不安な点があれば、まずはカウンセリングでじっくりご相談ください。
「前歯をぶつけて折れてしまった」「他院で骨が足りないと言われた」「入れ歯ではしっかり噛めない」といったお悩みに対しても、見た目と噛み心地の両方を考えた治療プランをご提案します。自分の歯のようにしっかり噛める状態を長く保つために、一緒に最適な治療法を考えていきましょう。
監修医師
鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴
宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業
宇都宮高校 卒業
昭和大学歯学部 卒業
千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)
千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員
安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務
オーキッド歯科クリニック 勤務
オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任
鈴木歯科医院 副院長 就任
所属
公益社団法人日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
挨拶
はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。