2026年1月16日
インプラントの種類とは?治療法ごとの特徴と選び方を歯科医が解説

歯を失ってしまったとき、「インプラント治療を受けたい」と考える方は多いでしょう。
しかし、インプラントにはさまざまな種類があり、治療方法や使用する素材によって特徴が大きく異なります。
「自分にはどのインプラントが合っているのか?」「治療法によって何が違うのか?」と疑問に思う方も少なくありません。
この記事では、500例以上のインプラント治療経験を持つ私が、インプラントの種類と治療法ごとの特徴、そして最適な選び方について詳しく解説します。
インプラントの基本構造と仕組み

インプラント治療を理解するには、まず基本的な構造を知ることが大切です。
インプラントは、大きく分けて3つのパーツから構成されています。
インプラント体(人工歯根)
顎の骨に直接埋め込まれる部分です。
チタンまたはチタン合金で作られており、直径は3〜5mm、長さは6〜18mm程度が一般的です。
骨との結合性に優れ、金属アレルギーのリスクも低いという特徴があります。
アバットメント(支台部)
インプラント体と上部構造をつなぐ中間部分です。
チタン、ジルコニア、金合金などの素材が使用され、高さや角度を調整する役割を担っています。
上部構造(人工歯)
実際に口の中に露出し、ものを噛むための部分です。
セラミック、ジルコニア、ハイブリッドセラミックなどの素材が使われ、審美性と機能性を兼ね備えています。
これら3つのパーツが一体となって、天然歯に近い機能を再現します。
インプラントの種類①構造による分類
インプラントは構造によって、大きく2つのタイプに分けられます。
ワンピースタイプ(一体型)
インプラント体とアバットメントが一体になった構造です。
手術回数が少なく済むというメリットがありますが、顎の骨が薄い方には適用できないケースもあります。
また、トラブルが発生した場合はインプラント体そのものを撤去する必要があります。
ツーピースタイプ(分離型)
インプラント体とアバットメントが別々になった構造です。
現在、多くの歯科医院で採用されているのがこのタイプです。
骨が痩せていても手術が可能で、パーツごとのトラブルに対応できるという利点があります。
当院でも、問題がない場合はツーピースタイプを使用しています。
インプラントの種類②メーカーによる違い

世界中には100種類以上のインプラントメーカーが存在します。
日本国内でも20種類ほどが流通しており、それぞれに特徴があります。
ノーベルバイオケア社
スウェーデンに本社を置く、インプラントを発明した最も歴史の長いメーカーです。
長い歴史があるがゆえに、さまざまな症例にも対応できる豊富なラインナップを持っています。
当院でも、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社製のインプラントを採用しています。
ストローマン社
スイスに本社があり、世界シェアNo.1を誇るメーカーです。
特殊な表面加工により、骨との強固な結合を可能にしています。
京セラ社
国産メーカーの中で最も歴史が古く、日本人の骨格に合わせた形状・サイズが特徴です。
日本で開発・製造されているため、安心感があります。
アストラテック社
スウェーデンに本社があり、インプラント埋入後の周辺組織への負担が少ない設計が特徴です。
骨吸収が起こりにくいという利点があります。
メーカー選びは、長期的な安定性と信頼性に直結します。
インプラントの種類③治療方法による分類
インプラント治療には、複数の治療方法があります。
患者様の口腔内の状態や希望に応じて、最適な方法を選択します。
通常の二回法
最も一般的な治療方法です。
まずインプラント体を埋め込み、骨との結合を待ってから(2〜6ヶ月程度)、アバットメントと上部構造を装着します。
確実性が高く、多くの症例に適用できます。
一回法
インプラント体を埋め込む際に、アバットメントも同時に装着する方法です。
手術回数が1回で済むため、患者様の負担を軽減できます。
抜歯即時埋入
歯を抜いた直後に、その抜歯窩にインプラントを埋入する治療法です。
治療期間を大幅に短縮でき、骨の吸収を最小限に抑えられるというメリットがあります。
ただし、適応症例が限られており、抜歯窩周囲の骨量が十分にあることや、感染・炎症がないことなどの条件を満たす必要があります。
即時荷重法
インプラント埋入後、すぐに仮歯を装着する方法です。
特に前歯など見た目に関わる部位では、長期間歯がない状態を避けられることが大きな利点となります。
当院でも、患者様の負担を軽くする方法として積極的に取り入れています。
インプラントの種類④上部構造の素材と固定方法

上部構造の素材と固定方法も、治療の成功に大きく影響します。
素材の種類
オールセラミックは、透明感があり審美性に優れています。
前歯など見た目が重要な部位に適していますが、強度はやや劣ります。
ジルコニアセラミックは、強度と審美性を兼ね備えた素材です。
当院では、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準採用しています。
細菌が繁殖しにくく、インプラント周囲炎を予防できるという大きなメリットがあります。
ハイブリッドセラミックは、セラミックとレジンを混ぜた素材です。
費用を抑えられますが、経年劣化により変色する可能性があります。
固定方法の種類
スクリュー固定は、ネジで固定する方法です。
取り外しが可能で、メンテナンスがしやすいという利点があります。
当院では、インプラント周囲炎のリスクを減らすため、セメントを使わないこの方法を採用しています。
セメント固定は、接着剤で固定する方法です。
審美性に優れていますが、セメントの残留が炎症の原因になることがあります。
インプラントの種類⑤骨造成を伴う治療法
骨が少ない、薄いと言われた方でも、骨造成という方法で対応できるケースがあります。
GBR(骨誘導再生法)
骨が不足している部分に人工骨や自家骨を移植し、メンブレンという膜で覆って骨の再生を促す方法です。
インプラント埋入と同時に行うこともあれば、先に骨造成を行ってからインプラントを埋入することもあります。
ソケットリフト
上顎の骨が薄い場合に行う骨造成法です。
インプラントを埋め込む穴から、上顎洞の底部を押し上げて骨補填材を入れます。
比較的侵襲が少ない方法です。
サイナスリフト
上顎の骨が大幅に不足している場合に行う骨造成法です。
歯ぐきの側面から切開し、上顎洞の底部を持ち上げて骨補填材を入れます。
大量の骨造成が可能ですが、手術の侵襲は大きくなります。
当院では、他院で「骨が足りないのでインプラントは難しい」と言われた方の相談にも対応しています。
骨造成を伴うケースでも、500例以上の経験をもとに、状態に合わせた治療プランを提案しています。
インプラント治療を受ける歯科医院の選び方

インプラント治療は外科手術を伴うため、歯科医院選びが非常に重要です。
治療実績と経験
インプラント手術には専門的な知識だけでなく、実践経験や技術も必要です。
過去の症例数や治療内容を確認することをおすすめします。
設備の充実度
歯科用CTやインプラント専用手術室など、安全に治療を進めるための設備が整っているかを確認しましょう。
当院では、CT画像と3Dシミュレーションを使って、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」を導き出してから治療を進めています。
説明の丁寧さ
手術前に入念な説明をしてくれるかどうかも重要なポイントです。
治療内容、リスク、費用、期間などを明確に説明してくれる歯科医院を選びましょう。
保証制度の有無
インプラント治療は高額な治療です。
保証制度が明確に示されているかを確認することをおすすめします。
メンテナンス体制
インプラント治療は「入れて終わり」ではありません。
長期的に安定して使うためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
治療後のサポート体制が整っているかを確認しましょう。
インプラント治療のリスクと注意点

インプラント治療には、いくつかのリスクが伴います。
インプラント周囲炎
インプラント周囲の歯ぐきや骨に炎症が起こる状態です。
適切なメンテナンスを怠ると、インプラントが脱落する原因になります。
当院では、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準採用することで、このリスクを最小限に抑えています。
神経損傷
インプラント手術中に神経が傷つくと、麻痺や痺れが生じる場合があります。
事前にCT撮影を行い、神経や血管の位置を正確に把握することで、このリスクを大幅に減らすことができます。
インプラントの脱落
骨との結合が不十分な場合、インプラントが抜け落ちるリスクがあります。
適切な位置・角度・深さでの埋入、そして術後の適切なケアが重要です。
これらのリスクを最小限に抑えるためには、経験豊富な歯科医師のいる歯科医院を選ぶことが大切です。
まとめ:あなたに最適なインプラント治療を選ぶために
インプラント治療には、構造、メーカー、治療方法、素材、固定方法など、さまざまな種類と選択肢があります。
それぞれに特徴やメリット・デメリットがあり、患者様の口腔内の状態や希望によって最適な治療法は異なります。
大切なのは、信頼できる歯科医師としっかり相談し、自分に合った治療法を選ぶことです。
当院では、CT画像と3Dシミュレーションを使った精密な診査・診断を行い、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」にインプラントを埋入することを徹底しています。
骨造成やガイデッドサージェリーにも対応しており、他院で「難しい」と言われた方の相談にも応じています。
インプラント治療は外科処置を伴う自由診療です。
術後の腫れや痛み、インプラント周囲の炎症・脱落などのリスクがあり、良好な経過のためには日々のケアと定期検診が欠かせません。
しかし、適切な治療とメンテナンスを行えば、長期的に快適に使い続けることができます。
インプラント治療を検討されている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
無料相談も行っており、歯科用CTも無料で撮影しています。
あなたに最適なインプラント治療法を、一緒に見つけていきましょう。
監修医師
鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴
宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業
宇都宮高校 卒業
昭和大学歯学部 卒業
千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)
千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員
安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務
オーキッド歯科クリニック 勤務
オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任
鈴木歯科医院 副院長 就任
所属
公益社団法人日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
挨拶
はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。