2026年1月6日
インプラントは保険適用できる?条件と自費との違いを歯科医がわかりやすく解説

インプラント治療と保険適用の基本
歯を失ってしまったとき、「インプラント治療を受けたいけれど、費用が心配・・・」と感じる方は少なくありません。
インプラント治療は、失った歯の機能を取り戻すための優れた選択肢ですが、基本的には**保険適用外の自由診療**として扱われています。そのため、治療費は全額自己負担となり、1本あたり40万円前後の費用がかかることが一般的です。
ただし、すべてのケースで保険が適用されないわけではありません。平成24年(2012年)より、特定の条件を満たす場合に限り、インプラント治療にも健康保険が適用されるようになりました。
この記事では、インプラント治療の保険適用条件、自由診療との違い、そして費用負担を軽減する方法について、長年インプラント治療に携わってきた歯科医師の立場から詳しく解説します。
保険診療と自由診療の違いとは
保険診療の仕組みと特徴
保険診療とは、健康保険が適用される治療のことです。
患者さんは治療費の1割から3割を自己負担し、残りの7割から9割は国が負担する仕組みになっています。虫歯治療や歯周病治療、抜歯、入れ歯、ブリッジなどの基本的な歯科治療は、この保険診療の対象となります。
保険診療の大きなメリットは、全国どこでも同じ治療を同じ料金で受けられることです。ただし、使用できる材料や治療方法、治療にかけられる時間には制限があり、必ずしも最善の選択肢とは限りません。
自由診療の仕組みと特徴
自由診療は、健康保険が適用されない治療のことを指します。
治療費は全額自己負担となり、医療機関ごとに料金設定が異なります。インプラント治療のほか、セラミックの被せ物、ホワイトニング、歯列矯正などが自由診療に該当します。
自由診療では、保険診療の制限を受けないため、最新の治療技術や高品質な材料を使用できます。患者さん一人ひとりの希望に沿った治療計画を立てられるのが大きな特徴です。
インプラント治療が保険適用される条件

先天的な理由による保険適用
生まれつきの疾患や歯の欠損がある場合、インプラント治療に保険が適用されることがあります。
令和6年(2024年)の診療報酬改定により、保険適用の条件が見直されました。生まれつき永久歯が6本以上欠如している「先天性部分無歯症」や、永久歯の前歯・小臼歯の3歯以上が萌出不全で開窓術が必要な場合が対象となります。
また、生まれつきあごの骨が形成不全である場合や、骨移植を行ってあごの骨を再建した場合も、保険適用の対象となる可能性があります。
後天的な理由による保険適用
事故や病気によってあごの骨を失った場合も、保険適用の対象となることがあります。
具体的には、腫瘍、顎骨骨髄炎、第三者による外傷などで、あごの骨を連続して1/3以上失っている場合が該当します。上顎では連続した4歯以上の顎骨欠損、または上顎洞・鼻腔への交通が認められる顎骨欠損が条件です。
下顎では、連続した4歯以上の歯槽骨欠損、または下顎区域切除以上の顎骨欠損が保険適用の条件となります。
ただし、虫歯や歯周病、加齢による骨の吸収で歯を失った場合は、保険適用の対象外となります。
保険適用を受けられる医療機関の条件
インプラント治療を保険診療で受けるには、医療機関にも厳しい条件があります。
入院用ベッドが20床以上ある病院で、歯科または歯科口腔外科を標榜していることが必要です。さらに、5年以上の経験または3年以上のインプラント治療経験を持つ常勤の歯科医師が2名以上配置されていること、当直体制が整備されていることなどが求められます。
これらの条件を満たすのは、主に大学病院や規模の大きな病院の歯科・口腔外科となります。一般的な歯科医院では、保険適用のインプラント治療は受けられません。
自由診療でのインプラント治療の特徴
治療の質と精度の違い

自由診療のインプラント治療では、最新の技術と高品質な材料を使用できます。
鈴木歯科医院では、CT画像と3Dシミュレーションを使って、見た目・噛み合わせ・お口全体のバランスを踏まえた「正しい位置」を導き出してから治療を進めます。必要に応じて骨を作る手術(骨造成)やガイデッドサージェリーも行い、シミュレーション通りの位置に精密に埋入していきます。
使用するインプラントは、世界的に実績のあるノーベルバイオケア社製です。本体だけでなく、仮歯の土台や最終的な被せものを固定するネジに至るまで純正パーツを採用し、長期的な安定性を重視しています。
インプラント周囲炎への予防対策
近年、インプラント周囲炎が問題になっています。
鈴木歯科医院では、セメントを使わないネジ固定式+フルジルコニアの被せものを標準としています。この方法なら、お手入れしやすく清潔な状態を保ちやすいため、インプラント周囲炎のリスクを大幅に減らすことができます。
治療後も定期的なメインテナンスを通じて、インプラントを長く快適に使っていただけるようサポートしています。
難症例への対応
他院で「骨が足りないのでインプラントは難しい」と言われた方でも、諦める必要はありません。
500例以上のインプラント治療経験を持つドクターが、フラップレス手術や骨造成を伴うケース、複数本の埋入が必要なケースまで対応しています。転倒で前歯が折れてしまったケースや、骨が足りないケースでも、骨造成を組み合わせた治療により、良好な経過を得られています。
インプラント治療の費用負担を軽減する方法
医療費控除の活用
インプラント治療は医療費控除の対象となります。
1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が10万円を超える場合、確定申告をすることで税金の一部が還付されます。年収400万円の方が40万円のインプラント治療を受けた場合、約6万円の還付が見込めます。
医療費控除は、自分自身だけでなく、生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も合算できます。通院のための公共交通機関の交通費も含まれるため、領収書は大切に保管しておきましょう。
支払い方法の選択肢

鈴木歯科医院では、現金払いのほか、クレジットカード払いにも対応しています。
治療費を一括で支払うのが難しい場合は、分割払いなどの選択肢もあります。費用面で不安がある方は、カウンセリングの際に遠慮なくご相談ください。
長期的な視点での費用対効果
インプラント治療は初期費用が高額ですが、長期的な視点で考えると経済的なメリットがあります。
適切にメインテナンスを行えば、インプラントは10年以上使用できることが一般的です。入れ歯やブリッジと比較して、周囲の歯に負担をかけず、自分の歯のようにしっかり噛めるため、生活の質も大きく向上します。
インプラント治療を受ける際の注意点
リスクと副作用の理解

インプラント治療は外科処置を伴うため、リスクも存在します。
術後の腫れや痛み、インプラント周囲の炎症、まれにインプラントの脱落などが起こる可能性があります。ただし、局所麻酔をしっかり効かせたうえで行うため、治療中の痛みはできる限り少なく抑えられます。
良好な経過を保つためには、日々のセルフケアと定期的な通院が欠かせません。
カウンセリングの重要性
インプラント治療を検討する際は、まずカウンセリングでじっくり相談することが大切です。
「痛くないかな?」「ちゃんと長持ちするかな?」といった不安は、誰もが感じるものです。鈴木歯科医院では、患者さんの不安をできるだけ減らし、納得していただいたうえで治療を進めることを大切にしています。
見た目と噛み心地の両方を考えた治療プランをご提案しますので、不安な点があれば遠慮なくお尋ねください。
まとめ
インプラント治療は、基本的には保険適用外の自由診療ですが、特定の条件を満たす場合には保険が適用されます。
先天的な疾患や事故・病気による広範囲の顎骨欠損など、限られたケースが対象となり、保険適用を受けるには大学病院などの条件を満たした医療機関での治療が必要です。
一般的な虫歯や歯周病で歯を失った場合は自由診療となりますが、医療費控除を活用することで費用負担を軽減できます。自由診療では、最新の技術と高品質な材料を使用し、患者さん一人ひとりに最適な治療を提供できるメリットがあります。
鈴木歯科医院では、CT画像と3Dシミュレーションを使った精密な治療計画、世界的に実績のあるインプラントシステムの使用、インプラント周囲炎を予防する設計など、長期的に安定した結果を目指しています。
「自分の歯のようにしっかり噛める状態を長く保つこと」を大切に、500例以上の経験を持つドクターが、他院で難しいと言われたケースにも対応しています。インプラント治療に興味がある方、費用や治療内容について詳しく知りたい方は、まずはカウンセリングでご相談ください。
監修医師
鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴
宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業
宇都宮高校 卒業
昭和大学歯学部 卒業
千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)
千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員
安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務
オーキッド歯科クリニック 勤務
オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任
鈴木歯科医院 副院長 就任
所属
公益社団法人日本口腔インプラント学会
国際口腔インプラント学会
挨拶
はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。