宇都宮市一の沢の歯医者 「鈴木歯科医院」 一般歯科・小児歯科・矯正歯科・口腔外科

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2025年12月13日

     

インプラント治療は痛くない?痛みを最小限にする5つの方法と実際の治療

インプラント治療の痛みに対する誤解

インプラント治療を検討されている方の多くが、「痛い」というイメージを持たれています。

しかし、これは大きな誤解です。現代のインプラント治療は、麻酔技術や治療法の進化により、痛みを最小限に抑えることが可能になっています。私自身、500症例以上のインプラント治療に携わってきましたが、適切な麻酔管理と治療技術により、患者様の多くが「思ったより痛くなかった」と感想を述べられます。

インプラント治療における痛みは、主に手術中と術後に分けられます。手術中の痛みは局所麻酔によってほぼゼロに抑えられ、術後の痛みも適切な痛み管理により大幅に軽減できるのです。

痛みを最小限にする5つの方法

1. 局所麻酔による完全な痛みのコントロール

インプラント手術では、局所麻酔を用いて神経の痛み信号を遮断します。

麻酔薬は顎の粘膜下に層状に浸潤させ、骨膜まで薬液を行き渡らせることで、ドリルが骨に到達しても痛みを感じることはありません。患者様が感じるのは、わずかな圧力だけです。麻酔はナトリウムチャネルを一時的にブロックし、痛みの電気信号が脳へ伝わる経路を遮断するため、手術中の痛みはほぼゼロになります。

当院では、麻酔効果を維持しやすいよう低侵襲かつ短時間での操作を原則としており、粘膜切開を最小限に抑えています。ドリル回転数と注水量を細かく調整することで、発熱や振動による不快感も大幅に減少させています。

2. 静脈内鎮静法による不安と緊張の軽減

治療への不安が強い方には、静脈内鎮静法をお勧めしています。

鎮静剤を血管を通して体内に入れることで、患者様の意識レベルを落とし、治療への緊張や不安を和らげることができます。これは全身麻酔とは異なり、必要な時には呼びかけに反応できる状態を保ちます。静脈内鎮静法を併用すると、大脳辺縁系の恐怖記憶回路が薬理的に鎮められるため、ドリル音は聞こえても不快な感情が結び付きません。

局所麻酔との相乗効果により、追加麻酔量を約30%削減できることも研究で示されています。徹底したモニタリングにより、呼吸・血圧リスクを最小化しながら、リラックスした状態で治療を受けられます。

3. ガイデッドサージェリーによる低侵襲治療

当院では、ガイデッドサージェリーという先進的な治療法を採用しています。

CTデータをもとにマウスピース型のテンプレートを作成し、そのテンプレートの通りにインプラントを正しい位置に埋入するため、歯茎を切開する範囲を最小限に抑えることができます。3Dガイドが可能にする直径5mmの円形穿孔により、骨膜と血管を温存し、炎症サイトカインを低減できるのです。

フラップレス(切開レス)埋入では、縫合が不要なため術後のツッパリ感が出にくく、手術後の痛みや腫れが大幅に軽減されます。ナビゲーションシステムによりドリル時間を半分に短縮でき、リアルタイム画像誘導で角度ズレを±1度以内に実現しています。

4. 先制鎮痛プロトコルの実施

痛みが出る前に薬で封じ込める、これが先制鎮痛の考え方です。

縫合直後にアセトアミノフェンと非ステロイド性抗炎症薬を服用することで、術後の炎症反応を事前に抑制します。デキサメタゾン徐放剤を使用することで、腫脹ピークを24時間短縮できることが示されています。患者様の胃腸・腎機能との相性をチェックし、個別にカスタマイズした処方を行っています。

術後痛のピークは24時間以内であり、正しい対策で大半が軽症に抑えられます。研究データでは、インプラント単独埋入の痛みスケール平均値は術後6時間で最大となり、24時間を過ぎると半数以上が違和感程度に低下することが分かっています。

5. 術後48時間のセルフケア指導

術後の痛みを決める分岐点は、最初の48時間のセルフケアにあります。

15分冷却・15分休止の間欠アイシングルールを守ることで、腫脹量を約35%、疼痛スコアを約40%低減できることが示されています。枕を二段に重ねた半座位で眠ることで静脈還流を促進し、腫れを抑えることができます。常温軟食を選び、アルコールと高カフェイン飲料を避けることが治癒スピードに効く理由は、血管拡張を防ぎ、炎症反応を最小限に抑えるためです。

当院では、患者様一人ひとりに詳細な術後ケア指導を行い、不安なく回復期間を過ごしていただけるようサポートしています。

実際の治療プロセスと痛みの実態

手術中の痛みはほぼゼロ

多くの患者様が心配される手術中の痛みですが、実際にはほぼ感じることはありません。

局所麻酔により、神経線維が通る骨膜まで薬液を行き渡らせるため、ドリルが骨へ到達しても患者様は圧力をかすかに感じるのみです。術中は麻酔効果を維持しやすいよう低侵襲かつ短時間での操作が原則で、麻酔が切れる前に縫合を終えられるスケジュールを組むことが「痛くなかった」と感じる体験につながります。

ドリル音は硬組織を切削する高周波成分を含み、人間の警戒本能を刺激しますが、音自体は聴覚情報であり、痛覚とは無関係です。脳は過去の痛みの記憶と結び付けて「痛いかも」と誤認しますが、実際の侵襲刺激とは無関係なのです。

術後の痛みと適切な管理

術後の炎症は、切開・骨削除により血管透過性が高まることで発生する浮腫と、サイトカインの遊離による疼痛が主体です。

しかし、先制鎮痛として縫合直後に適切な鎮痛薬を服用し、間欠アイシングを48時間継続すれば、痛みは大幅に軽減できます。当院の患者様の多くが、事前の不安に比べて治療中や治療後の痛みは想定よりもずっと少なかったと報告されています。

抜歯即時埋入インプラントの利点

当院では、歯を抜いたと同時にインプラントを埋入する抜歯即時埋入インプラントに対応しています。

この方法は治療期間を短縮でき、患者様の負担が少ないのが大きなメリットです。骨の状態を瞬時に評価し、より短期間での治療を可能にします。手術回数が減ることで、患者様が経験する痛みの機会も減少します。

難症例への対応と痛み管理

骨造成が必要なケースでも痛みは抑えられる

骨の量が不足している場合には、エキスパンジョン、サイナスリフト、ソケットリフト、GBRといった骨造成という技術を用いて骨を増やす手術を実施します。

これらの処置は一見複雑に思えますが、適切な麻酔管理と先進的な治療技術により、痛みを最小限に抑えることが可能です。当院では、他院で断られてしまうような難しい症例にも対応しており、患者様に最適な治療プランをご提案しています。

ピエゾサージェリーによる低ダメージ骨切削

超音波振動が軟組織を傷つけずに骨だけを切る原理を利用したピエゾサージェリーは、温度上昇を4℃未満に抑え、骨芽細胞の生存率を確保します。

出血量を50%減らすことができ、術後疼痛スコアを下げる根拠となっています。この技術により、より精密で低侵襲な治療が可能になり、患者様の負担を大幅に軽減できるのです。

長期的な痛み予防とメンテナンス

インプラント周囲炎を防ぐ定期管理

インプラント治療後の痛みを防ぐ鍵は、インプラント周囲炎を予防することにあります。

3か月ごとのプロフェッショナルケアでバイオフィルムを除去し、咬合調整が過大応力と痛みの再発を防ぐメカニズムを理解することが重要です。ナイトガードと禁煙指導により、長期安定率が30%向上することが示されています。

充実した医療設備による精密診断

当院では、充実した医療設備を整え、患者様の安全と安心を第一に治療を進めています。

手術室は医療用空気清浄機で衛生的な環境を保ちつつ、歯科用CTを使用して詳細な診断を行うことができます。患者様のお口の中の状態を精密に診断することで、難症例にも対応し、痛みを最小限に抑えた治療計画を立てることが可能です。

患者様の声と実際の体験

実際にインプラント治療を受けた患者様の多くが、「思っていたより痛くなかった」「不安だったけど安心して受けられた」と感想を述べられます。

これは、現代の麻酔技術と治療法の進化、そして適切な痛み管理により実現されています。私自身、千葉大学医学部附属病院での勤務経験を経て、世界水準の歯科医療を学び、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいという思いで日々研鑽しています。

自分が受けたい治療を提供することをモットーに、患者様のお口の健康を一緒に守っていきたいと考えています。インプラント治療に対する不安や疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ:インプラント治療の痛みは最小限に抑えられる

インプラント治療における痛みは、適切な麻酔管理と先進的な治療技術により、最小限に抑えることが可能です。

局所麻酔による完全な痛みのコントロール、静脈内鎮静法による不安と緊張の軽減、ガイデッドサージェリーによる低侵襲治療、先制鎮痛プロトコルの実施、そして術後48時間のセルフケア指導という5つの方法により、患者様の負担を大幅に軽減できます。

当院では、無料カウンセリングを実施しており、歯科用CTも無料で撮影しています。お口の中の健康に関する不安や疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。インプラント本体に10年間、上部構造に5年間の無償保証もご用意しており、患者様が安心して治療を受け、長期間にわたりご満足いただけるように心がけています。

インプラント治療に関する詳細な情報や、あなたに最適な治療プランについては、インプラント治療 鈴木歯科医院の専門サイトをご覧ください。経験豊富なドクターが、一人ひとりの状態に合わせた細やかな説明とアドバイスを提供いたします。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。

2025年12月12日

     

All-on-4の費用相場と治療内容|全顎インプラントとの違いを徹底比較

歯を失った方へ:All-on-4という選択肢

多くの歯を失ってしまった方にとって、「もう一度しっかり噛める歯を取り戻したい」という願いは切実なものです。

従来のインプラント治療では、失った歯の本数だけインプラントを埋入する必要があり、全ての歯を失った場合には片顎で12〜14本ものインプラントが必要でした。そのため、手術時間が長くなり、身体への負担も大きく、費用も高額になるという課題がありました。

しかし、All-on-4という治療法の登場により、この状況は大きく変わりました。最小4本のインプラントで片顎全体の人工歯を支えることができるこの革新的な治療法は、患者様の身体的・経済的負担を大幅に軽減しながら、しっかりと噛める機能を取り戻すことを可能にしています。

本記事では、All-on-4の費用相場や治療内容について詳しく解説し、従来の全顎インプラント治療との違いを徹底的に比較していきます。治療法の選択に迷われている方にとって、最適な判断材料となる情報をお届けします。

All-on-4とは何か:革新的なインプラント治療法の全貌

All-on-4の基本概念と開発背景

All-on-4は、ポルトガルの歯科医師Dr.パウロ・マロによって開発された画期的なインプラント治療法です。

この治療法の最大の特徴は、前歯から奥歯まで一体となった人工歯を、最小4本のインプラントで完全に固定できるという点にあります。従来の「1本の歯に対して1本のインプラント」という概念を覆し、力学的に最適な位置にインプラントを配置することで、少ない本数でも十分な支持力を確保できるのです。

開発者のDr.マロは、患者様の身体的・経済的負担を軽減したいという強い思いから、長年の臨床研究を重ねてこの治療法を確立しました。現在では世界中で広く採用され、多くの患者様に笑顔と噛む喜びを取り戻しています。

治療の仕組みと技術的特徴

All-on-4の技術的な特徴は、インプラントの配置方法にあります。

前方の2本のインプラントは垂直に埋入し、後方の2本は30〜45度の角度をつけて傾斜埋入します。この傾斜配置により、骨の厚みのある部分を効果的に利用でき、骨造成手術を回避できるケースが多くなります。また、インプラント同士の距離を広く取ることで、力の分散が効率的に行われ、安定性が向上します。

さらに、手術当日に仮歯を装着できる即時荷重という特徴も見逃せません。これにより、治療期間中も見た目や噛む機能を維持できるため、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

適応症例と治療対象者

All-on-4は、特に以下のような方に適した治療法です。

全ての歯を失った方、または残っている歯が重度の歯周病や虫歯で抜歯が必要な方が主な対象となります。また、総入れ歯が合わずに困っている方、入れ歯の不安定さから食事や会話に支障をきたしている方にも有効な選択肢となります。

骨の量が不足していて従来のインプラント治療が難しいと診断された方でも、All-on-4であれば治療可能なケースが多くあります。骨の厚みのある部分を選んでインプラントを配置できるため、骨造成手術を必要としない場合が多いのです。

All-on-4の費用相場:詳細な内訳と価格設定の理由

片顎治療の標準的な費用範囲

All-on-4の費用相場は、片顎(上顎または下顎のいずれか)あたり200万円〜400万円程度が一般的です。

この価格幅が生じる理由は、使用するインプラント体のメーカーや材質、上部構造(人工歯)の種類、クリニックの立地条件、医療設備の充実度、保証制度の内容など、さまざまな要因によって異なるためです。

標準的なケースでは、片顎で約300万円前後が平均的な費用となります。上下両方の顎を治療する場合は、約600万円前後が相場となりますが、クリニックによっては両顎同時治療の割引を設定している場合もあります。

費用に含まれる項目の詳細

All-on-4の治療費には、通常以下の項目が含まれています。

初診時のカウンセリング費用、歯科用CTを含む各種検査費用、治療計画の立案費用、インプラント体(4〜6本)の費用、手術費用、麻酔費用(静脈内鎮静法を使用する場合はその費用も含む)、仮歯の製作・装着費用、最終的な上部構造(人工歯)の製作・装着費用、術後の定期検診費用(一定期間)などが含まれます。

ただし、クリニックによって費用に含まれる項目は異なるため、治療前に詳細な見積もりを確認することが重要です。追加費用が発生する可能性がある項目についても、事前にしっかりと説明を受けておくことをお勧めします。

価格差が生じる主な要因

同じAll-on-4治療でも、クリニックによって価格が大きく異なる理由があります。

使用するインプラント体のメーカーによって価格は変動します。世界的に信頼性の高いメーカーの製品は高価ですが、長期的な安定性と実績があります。また、上部構造の材質も価格に影響します。ジルコニアやセラミックなど、審美性と耐久性に優れた材料を使用すると費用は高くなりますが、見た目の美しさと長期的な機能維持が期待できます。

クリニックの立地条件も価格設定に影響します。都心部の一等地にあるクリニックは、地方のクリニックと比較して賃料などの運営コストが高いため、治療費も高めに設定される傾向があります。さらに、歯科用CTやガイデッドサージェリーシステムなどの最新医療設備を導入しているクリニックでは、設備投資のコストが治療費に反映されることがあります。

従来の全顎インプラント治療との費用比較

従来のインプラント治療の費用構造

従来の全顎インプラント治療では、基本的に失った歯の本数分のインプラントを埋入します。

全ての歯を失った場合、片顎で12〜14本のインプラントが必要となり、総額は480万円〜960万円が相場とされています。1本あたりのインプラント費用は20万円〜40万円程度で、これに検査費用、手術費用、上部構造の費用、アフターケア費用などが加算されます。

上下両顎を治療する場合は、さらに倍の費用がかかることになり、経済的負担は非常に大きくなります。また、埋入本数が多いため、手術時間も長くなり、身体への負担も増大します。

All-on-4がコスト削減できる理由

All-on-4が従来の治療法よりも費用を抑えられる理由は、複数の要因が組み合わさっています。

最も大きな要因は、埋入するインプラント体の本数が少ないことです。従来の方法では12〜14本必要だったインプラントが、All-on-4では4〜6本で済むため、インプラント体そのものの費用が大幅に削減されます。また、手術時間も短縮されるため、手術費用や麻酔費用も抑えられます。

さらに、基本的に骨造成手術が不要であることも、コスト削減の重要な要因です。骨造成手術には別途費用がかかり、治療期間も延びるため、これを回避できることは経済的にも時間的にも大きなメリットとなります。治療回数と通院回数が少ないことも、交通費や時間的コストの削減につながります。

長期的なコストパフォーマンスの視点

治療費を比較する際は、初期費用だけでなく長期的な視点も重要です。

All-on-4は、適切なメンテナンスを行うことで10年、20年と長期にわたって使用できます。メンテナンス費用は1回あたり4,000円〜20,000円程度で、3ヶ月に1回のペースで行うのが一般的です。年間では16,000円〜80,000円程度のメンテナンス費用がかかりますが、これは入れ歯の調整や作り直しにかかる費用と比較しても決して高額ではありません。

また、多くのクリニックでは保証制度を設けており、インプラント本体に10年間、上部構造に5年間の無償保証を提供している場合があります。これにより、万が一のトラブルにも対応できる安心感があります。長期的に見れば、All-on-4は費用対効果の高い治療法と言えるでしょう。

All-on-4と全顎インプラントの治療内容の違い

手術方法と埋入本数の違い

All-on-4と従来の全顎インプラント治療では、手術方法に明確な違いがあります。

All-on-4では、4〜6本のインプラントを戦略的な位置に配置します。前方の2本は垂直に、後方の2本は30〜45度の角度をつけて傾斜埋入することで、骨の厚みのある部分を効果的に利用します。この配置により、力の分散が最適化され、少ない本数でも十分な支持力を確保できます。

一方、従来の全顎インプラント治療では、失った歯の位置に合わせて12〜14本のインプラントを垂直に埋入します。各インプラントが独立して1本の歯を支えるため、より多くの埋入本数が必要となります。手術時間も長くなり、身体への負担も大きくなる傾向があります。

治療期間と即時荷重の有無

治療期間においても、両者には大きな違いがあります。

All-on-4の最大の特徴の一つが、手術当日に仮歯を装着できる即時荷重です。朝に手術を行い、その日の夕方には仮歯が入るため、治療期間中も見た目や噛む機能を維持できます。最終的な上部構造の装着までは通常3〜6ヶ月程度かかりますが、その間も仮歯で日常生活を送ることができます。

従来の全顎インプラント治療では、インプラントを埋入してから骨と結合するまで3〜6ヶ月の治癒期間を待つ必要があります。その間は入れ歯を使用するか、歯がない状態で過ごすことになります。また、埋入本数が多いため、手術を複数回に分けて行うケースもあり、治療期間全体が長くなる傾向があります。

骨造成手術の必要性

骨造成手術の必要性も、両治療法の重要な違いです。

All-on-4では、骨の厚みのある部分を選んでインプラントを配置できるため、基本的に骨造成手術が不要です。後方のインプラントを傾斜埋入することで、上顎洞や神経を避けながら、十分な長さのインプラントを埋入できます。これにより、手術の複雑さが軽減され、治療期間も短縮されます。

従来の全顎インプラント治療では、骨の量が不足している部位にもインプラントを埋入する必要があるため、骨造成手術が必要になるケースが多くあります。サイナスリフト、ソケットリフト、GBRなどの骨造成技術を用いて骨を増やす手術を行いますが、これには別途費用がかかり、治療期間も延びることになります。

メンテナンスと清掃性の違い

治療後のメンテナンスにおいても、違いがあります。

All-on-4は、一体型の上部構造を使用するため、清掃が比較的容易です。歯間ブラシや専用のフロスを使用して、インプラントと歯肉の境界部分を丁寧に清掃します。定期的なプロフェッショナルケアと適切なセルフケアにより、長期的な安定性を維持できます。

従来の全顎インプラント治療では、各インプラントが独立しているため、それぞれのインプラント周囲を個別に清掃する必要があります。清掃箇所が多くなるため、より丁寧なセルフケアが求められます。ただし、個別に管理できるため、一部にトラブルが生じた場合でも、その部分だけを修理できるというメリットもあります。

All-on-4のメリットとデメリット

All-on-4の主なメリット

All-on-4には、多くの優れた利点があります。

最大のメリットは、手術当日に仮歯が入ることです。朝に手術を受けて、その日の夕方には歯が入った状態で帰宅できるため、見た目や噛む機能を維持しながら治療を進められます。これは、仕事や社会生活を続けながら治療を受けたい方にとって、非常に大きな利点となります。

身体への負担が少ないことも重要なメリットです。埋入本数が少ないため、手術時間が短く、術後の腫れや痛みも軽減されます。また、基本的に骨造成手術が不要なため、手術の複雑さが軽減され、回復期間も短縮されます。

費用面でも、従来の全顎インプラント治療と比較して経済的負担を抑えられます。埋入本数が少ないことで、インプラント体の費用、手術費用、治療期間に関連する諸費用を削減できます。

さらに、固定式であるため、入れ歯のような取り外しの手間がなく、天然歯に近い感覚で食事や会話を楽しめます。安定性が高く、硬い食べ物もしっかりと噛むことができるため、食事の質が向上し、栄養摂取も改善されます。

All-on-4のデメリットと注意点

一方で、All-on-4にもいくつかのデメリットや注意点があります。

残っている歯がある場合、それらを抜歯する必要が生じることがあります。All-on-4は、全ての歯を失った方、または残っている歯が重度の歯周病などで保存が難しい方を対象とした治療法であるため、健康な歯が残っている場合は、他の治療法を検討する必要があります。

また、4〜6本のインプラントで全体を支えるため、1本のインプラントにトラブルが生じた場合、全体に影響が及ぶ可能性があります。従来の治療法では、1本のインプラントに問題が生じても他の部分は影響を受けませんが、All-on-4では全体が一体構造となっているため、修理や調整が必要になることがあります。

さらに、すべての歯科医師がAll-on-4の治療を行えるわけではありません。高度な技術と経験が必要な治療法であるため、実績のある歯科医師を選ぶことが重要です。治療を検討する際は、医師の経験や症例数、使用する設備などを十分に確認することをお勧めします。

治療法の選択:どちらを選ぶべきか

All-on-4が適している方

All-on-4は、特に以下のような方に適した治療法です。

全ての歯を失った方、または残っている歯が重度の歯周病や虫歯で抜歯が必要な方が主な対象となります。総入れ歯が合わずに困っている方、入れ歯の不安定さから食事や会話に支障をきたしている方にも、All-on-4は有効な選択肢となります。

骨の量が不足していて従来のインプラント治療が難しいと診断された方でも、All-on-4であれば治療可能なケースが多くあります。また、手術や治療期間に対する身体的・時間的負担を最小限に抑えたい方、費用を抑えながらも高品質なインプラント治療を受けたい方にも適しています。

仕事や社会生活を続けながら治療を受けたい方にとって、手術当日に仮歯が入るAll-on-4は理想的な選択肢となるでしょう。

従来の全顎インプラントが適している方

一方、従来の全顎インプラント治療が適している方もいます。

健康な歯がまだ複数本残っている方は、All-on-4の適用にはならず、従来のインプラント治療や他の治療法を検討する必要があります。また、骨の状態が良好で、個別のインプラントを埋入できる方も、従来の方法を選択できます。

各インプラントを独立して管理したい方、将来的に一部のインプラントだけを修理や交換したい方にとっては、従来の方法が適している場合があります。また、治療期間に余裕があり、段階的に治療を進めたい方も、従来の方法を選択できます。

医師との相談の重要性

最適な治療法の選択には、専門医との十分な相談が不可欠です。

口腔内の状態、骨の量や質、全身の健康状態、生活習慣、予算、治療期間の希望など、さまざまな要因を総合的に考慮して、最適な治療計画を立てる必要があります。歯科用CTによる精密な診査・診断を行い、複数の治療オプションを比較検討することで、患者様一人ひとりに最適な治療法を選択できます。

当院では、無料カウンセリングを実施しており、歯科用CTの無料撮影も行っています。治療に関する不安や疑問があれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、患者様の状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。

費用負担を軽減する方法

医療費控除の活用

All-on-4治療は自由診療ですが、医療費控除の対象となります。

医療費控除は、自分自身や扶養家族が1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合、その超えた分を年間の所得金額から控除できる制度です。All-on-4の治療費は高額であるため、多くの場合で医療費控除の対象となります。

確定申告の際に申請手続きを行うことで、所得税の還付と翌年度の住民税減額を受けることができます。治療費の領収書や交通費の記録を保管しておくことが重要です。医療費控除を活用することで、実質的な負担額を軽減できます。

デンタルローンの利用

多くの歯科医院では、デンタルローンを利用できます。

デンタルローンは、歯科治療費を分割払いできる専用のローンです。一括での支払いが難しい場合でも、月々の負担を抑えながら治療を受けることができます。審査が必要ですが、比較的利用しやすい条件が設定されている場合が多く、多くの患者様が活用しています。

当院では、現金、クレジットカード(VISA、MasterCard)、デンタルローンでのお支払いに対応しています。支払い方法について不明な点があれば、受付スタッフまでお気軽にお尋ねください。患者様の経済状況に合わせた最適な支払いプランをご提案いたします。

保証制度の確認

治療費を検討する際は、保証制度の内容も重要な要素です。

当院では、インプラント本体に10年間、上部構造に5年間の無償保証を提供しています。万が一のトラブルにも対応できる安心の保証制度により、長期的な視点で治療を受けていただけます。保証内容はクリニックによって異なるため、治療前に詳細を確認することをお勧めします。

まとめ:あなたに最適な治療法を見つけるために

All-on-4は、最小4本のインプラントで片顎全体の人工歯を支える革新的な治療法です。

費用相場は片顎で200万円〜400万円程度、平均的には約300万円前後となります。従来の全顎インプラント治療と比較すると、埋入本数が少ないため、身体的・経済的負担を大幅に軽減できます。手術当日に仮歯が入る即時荷重により、治療期間中も見た目や噛む機能を維持できることも大きな魅力です。

一方、従来の全顎インプラント治療は、各インプラントが独立しているため、個別の管理がしやすいという特徴があります。健康な歯が残っている場合や、骨の状態が良好な場合は、従来の方法も有効な選択肢となります。

最適な治療法の選択には、口腔内の状態、骨の量や質、全身の健康状態、生活習慣、予算、治療期間の希望など、さまざまな要因を総合的に考慮する必要があります。専門医との十分な相談を通じて、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立てることが重要です。

当院では、500例以上のインプラント治療経験を持つ医師が、患者様の状態に合わせた最適な治療プランをご提案いたします。ガイデッドサージェリーによる正確な埋入、抜歯即時埋入インプラントによる治療期間の短縮、他院で断られた難症例への対応など、高度な技術と充実した医療設備により、安心して治療を受けていただける環境を整えています。

無料カウンセリングと歯科用CTの無料撮影を実施していますので、まずはお気軽にご相談ください。あなたの笑顔と噛む喜びを取り戻すお手伝いをさせていただきます。

詳しい治療内容や費用については、インプラント治療 鈴木歯科医院の専門サイトをご覧ください。経験豊富な医師が、あなたに最適な治療法をご提案いたします。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。

 

2025年12月12日

     

全顎インプラントの費用相場と治療法|All-on-4との違いも詳しく解説

全顎インプラント治療を検討する前に知っておきたいこと

入れ歯が合わない、痛い、外れやすい。毎日の食事が楽しめず、人前で笑うことにも抵抗を感じる。そんな悩みを抱えている方は少なくありません。全顎インプラント治療は、こうした問題を根本から解決できる可能性を持つ治療法です。しかし、費用面での不安や治療法の選択肢について、十分な情報を得られていない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、全顎インプラント治療の費用相場から具体的な治療法、そしてAll-on-4という革新的な選択肢まで、500症例以上の経験を持つ立場から詳しく解説します。治療を検討されている方が、正しい知識を持って最適な選択ができるよう、実践的な情報をお届けします。

全顎インプラント治療の費用相場を理解する

全顎インプラント治療を検討する際、最も気になるのが費用です。

一般的なインプラント治療では、1本あたり35万円から60万円程度が相場とされています。この費用には、診査・診断、手術、インプラント体、上部構造(人工歯)などが含まれます。しかし、全顎の治療となると、必要な本数や治療法によって総額は大きく変動します。

従来の全顎インプラント治療の費用構造

従来の全顎インプラント治療では、上顎または下顎全体で8本から14本のインプラントを埋入するのが一般的でした。単純計算でも、片顎で280万円から840万円、上下両顎となると560万円から1,680万円という高額な費用が必要になります。

この費用には以下の項目が含まれます。診査・診断費用として、初診料やカウンセリング、歯科用CT撮影などで3万円から5万円。手術費用は、麻酔や手術料を含めて1本あたり15万円から40万円。インプラント体の費用は、国産で8万円から15万円、欧米製で10万円から30万円程度です。

さらに、上部構造の費用として、セラミックの種類によって8万円から30万円が必要になります。骨造成が必要な場合は、追加で10万円から25万円の費用が発生することもあります。治療期間は3ヶ月から6ヶ月、場合によっては1年近くかかることもあり、その間の通院費用や時間的コストも考慮する必要があります。

費用に影響を与える主な要因

全顎インプラント治療の費用は、いくつかの要因によって変動します。

まず、使用するインプラント体のメーカーやブランドです。世界的に評価の高いトップクラスのインプラントは、長期的な成功率や残存率が科学的に証明されており、その分費用も高くなります。しかし、メーカーが倒産した場合の部品調達リスクや、臨床データの信頼性を考えると、品質と信頼性を重視した選択が重要です。

次に、上部構造の素材選択です。前歯部分では審美性が重視されるため、オールセラミックやジルコニアといった高品質な素材が選ばれることが多く、費用も高くなります。一方、奥歯では機能性を重視し、ハイブリッドセラミックなど比較的費用を抑えた素材が選択されることもあります。

また、骨の状態も大きな要因です。骨量が不足している場合、エキスパンジョン、サイナスリフト、ソケットリフト、GBRといった骨造成技術が必要になり、その分費用が加算されます。歯科医院の設備や技術レベル、地域によっても費用は変動します。

All-on-4という革新的な選択肢

全顎インプラント治療の費用や治療期間に不安を感じる方に、知っていただきたい治療法があります。

All-on-4(オールオンフォー)は、最小4本のインプラントで片顎全体の人工歯を支える革新的な治療法です。従来の方法と比較して、費用、治療期間、身体的負担のすべてを大幅に軽減できる可能性があります。片顎あたりの費用相場は200万円から300万円程度で、従来の方法と比べて大幅なコスト削減が可能です。

All-on-4の基本的な仕組み

All-on-4は、前歯部分の骨がしっかりしている領域に4本のインプラントを戦略的に配置します。後方の2本は斜めに埋入することで、骨の厚みが不足しがちな奥歯部分でも安定した支持を得られるよう設計されています。この独特の配置により、多くの場合で大規模な骨造成手術を避けることができます。

従来の治療法では、上顎や下顎全体で10本から14本のインプラントが必要でしたが、All-on-4では下顎で4本、上顎で4本から6本で済みます。インプラント本数が少ないため、手術時間は約1時間程度に短縮され、出血や腫れ、痛みも最小限に抑えられます。

最も特筆すべき点は、手術当日に固定式の仮歯が装着できることです。朝に手術を受け、その日の夜には新しい歯で食事ができる「即日治療」が可能になります。これは、長期間歯がない状態を避けたい方や、忙しくて何度も通院できない方にとって大きなメリットです。

従来の治療法との具体的な比較

All-on-4と従来の治療法を多角的に比較してみましょう。

治療期間では、従来法が3ヶ月から6ヶ月、場合によっては1年近くかかるのに対し、All-on-4は基本的に1日で仮歯が入り、最終的な歯の装着まで3ヶ月から6ヶ月程度です。手術回数も、従来法では複数回必要なのに対し、All-on-4は1回のみです。

費用面では、従来法が片顎で400万円から1,000万円かかるのに対し、All-on-4は230万円から300万円程度と大幅に抑えられます。歯がない期間についても、従来法では数ヶ月間歯がない状態が続くことがありますが、All-on-4では手術当日に仮歯が入るため、その心配がありません。

審美性と清掃性についても、All-on-4は優れた設計により、見た目の美しさと日常的なメンテナンスのしやすさを両立しています。固定式のため、入れ歯のように取り外して洗う必要もありません。

All-on-4が適している方の特徴

All-on-4は、特に以下のような方に適した治療法です。

まず、部分入れ歯や総入れ歯が合わない、痛い、外れやすいといった悩みを持つ方です。入れ歯と歯茎の間に食べ物が挟まって痛む、噛む力を十分にかけられず硬いものが食べられない、入れ歯が動いて発音しにくいといった問題から解放されます。

また、歯周病で多くの歯がグラグラしている方や、虫歯で歯がボロボロになってしまった方にも有効です。抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」にも対応できるため、治療期間をさらに短縮できる可能性があります。

忙しくて何度も歯科医院に通えない方や、歯科治療に強い不安を感じる方にも適しています。手術回数が1回のみで、静脈内鎮静法を使用すればリラックスした状態で治療を受けられます。骨の量が不足していて、他院でインプラント治療を断られた経験がある方でも、All-on-4なら治療できる可能性があります。

全顎インプラント治療の具体的な流れ

治療の流れを理解することは、不安を軽減し、適切な準備をするために重要です。

初診からカウンセリングまで

治療は、まず問診とカウンセリングから始まります。

患者様の現在の口腔内の状態、これまでの歯科治療の経緯、全身的な健康状態、服用中の薬、アレルギーの有無などを詳しくお伺いします。また、治療に対するご希望や不安、予算、治療期間の制約なども丁寧にお聞きします。この段階で、患者様が抱えている悩みや期待を十分に理解することが、最適な治療計画を立てる上で不可欠です。

カウンセリングでは、インプラント治療の基本的な仕組み、メリットとデメリット、治療期間、費用、リスクなどを分かりやすく説明します。All-on-4を含む複数の治療法の選択肢をご提示し、それぞれの特徴や適応について詳しくお話しします。患者様が納得して治療を選択できるよう、十分な時間をかけて説明することを心がけています。

精密な診査と診断

次に、精密な診査と診断を行います。

口腔内検査では、残存歯の状態、歯周病の進行度、噛み合わせ、顎関節の状態などを詳細にチェックします。歯科用CTによる三次元的な画像撮影は、骨の厚みや形態、神経や血管の位置を正確に把握するために不可欠です。この立体的な画像データをもとに、インプラントを埋入する最適な位置、角度、深さを綿密に計画します。

口腔内スキャナーを使用したデジタル印象採得により、患者様の負担を軽減しながら精密な型取りを行います。これらのデータを統合し、コンピューター上でシミュレーションを行うことで、治療の成功率を高めます。

診断では、骨の状態を詳細に評価します。骨量が不足している場合、骨造成が必要かどうか、All-on-4のような特殊な埋入方法が適しているかどうかを判断します。全身状態も考慮し、糖尿病や骨粗鬆症などの疾患がある場合は、主治医と連携して治療の可否や注意点を確認します。

治療計画の立案と説明

診査・診断の結果をもとに、患者様一人ひとりに最適な治療計画を立案します。

使用するインプラントの種類、本数、埋入位置、角度などを具体的に決定します。上部構造の素材や形態、色調についても、患者様のご希望や予算を考慮しながら提案します。骨造成が必要な場合は、その方法や追加費用についても詳しく説明します。

治療期間のスケジュール、手術当日の流れ、術後の注意事項、メンテナンスの重要性についても丁寧にお伝えします。費用の総額と内訳を明確に提示し、支払い方法についてもご相談に応じます。当院では、現金、クレジットカード、デンタルローンに対応しており、患者様の経済的な負担を軽減できるよう配慮しています。

治療計画の説明では、3Dシミュレーション画像や模型を使用し、視覚的に理解しやすいよう工夫しています。患者様が十分に納得され、すべての疑問が解消されてから、治療を開始します。

インプラント手術の実際

手術当日は、まず全身状態の最終確認を行います。

静脈内鎮静法を希望される場合は、麻酔専門医が鎮静剤を投与し、リラックスした状態で手術を受けていただけます。局所麻酔を十分に効かせた後、ガイデッドサージェリーという方法を用いて、事前に計画した通りの位置に正確にインプラントを埋入します。

ガイデッドサージェリーでは、CTデータをもとに作成したマウスピース型のテンプレートを使用します。このテンプレートに沿ってインプラントを埋入することで、歯茎を切開する範囲を最小限に抑え、手術後の痛みや腫れを大幅に軽減できます。手術時間は、埋入本数や難易度によりますが、All-on-4の場合は約1時間程度です。

抜歯が必要な場合は、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入」に対応しています。これにより、治療期間をさらに短縮し、患者様の負担を軽減できます。手術後は、止血を確認し、術後の注意事項を説明します。All-on-4の場合、その日のうちに仮歯を装着し、噛む機能を回復させます。

治療後のメンテナンスと長期的な成功

インプラント治療は、手術が終わった時点で完了するわけではありません。

長期的に安定して使用するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。インプラント自体は虫歯にはなりませんが、歯周病に似た「インプラント周囲炎」という疾患には注意が必要です。この疾患を予防し、インプラントを長持ちさせるためには、日々のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスが重要になります。

日常的なセルフケアの重要性

インプラントを長持ちさせる第一歩は、毎日の丁寧なセルフケアです。

通常の歯ブラシでのブラッシングはもちろん、インプラント周囲の清掃には特別な注意が必要です。歯ブラシだけでは届きにくい部分があるため、歯間ブラシやデンタルフロス、ウォーターピックなどの補助的な清掃器具を併用することをお勧めします。特に、インプラントと歯茎の境目、隣接する歯との間は、食べ物のカスや細菌が溜まりやすいため、丁寧に清掃する必要があります。

ブラッシングの際は、力を入れすぎず、優しく丁寧に磨くことが大切です。硬すぎる歯ブラシや研磨剤の多い歯磨き粉は、上部構造の表面を傷つける可能性があるため、適切なものを選ぶようにしましょう。当院では、患者様一人ひとりの口腔内の状態に合わせた清掃方法を指導し、必要な清掃器具もご紹介しています。

定期的なメンテナンスの内容

セルフケアだけでは限界があります。

定期的に歯科医院でのメンテナンスを受けることで、インプラント周囲炎などのトラブルを早期に発見し、対処することができます。メンテナンスの頻度は、患者様の口腔内の状態によって異なりますが、一般的には3ヶ月から6ヶ月に1回が推奨されます。

メンテナンスでは、まず口腔内の清掃状態をチェックします。インプラント周囲の歯茎の状態、出血や腫れの有無、プラークや歯石の付着状況などを詳しく確認します。専用の器具を使用して、セルフケアでは取り除けない歯石やバイオフィルムを除去し、インプラント周囲を清潔に保ちます。

レントゲン撮影により、骨の状態を定期的に確認することも重要です。インプラント周囲の骨が吸収していないか、インプラント本体に異常がないかをチェックします。噛み合わせの状態も確認し、必要に応じて調整を行います。過度な力がかかっていると、インプラントの寿命を縮める原因になるため、適切な噛み合わせを維持することが大切です。

インプラントの寿命と残存率

適切なメンテナンスを行うことで、インプラントは長期間使用できます。

厚生労働省が発表している「歯科インプラント治療のためのQ&A」によると、インプラントの10年から15年の累積生存率は、上顎で約90パーセント程度、下顎で94パーセント程度とされています。つまり、インプラント治療を受けた患者様の9割以上の方は、約10年から15年間はインプラントを問題なく使用できているということです。

All-on-4についても、通常のインプラント治療と同様の寿命が期待できます。入れ歯の寿命が約3年から7年、ブリッジが約7年から8年であることを考えると、インプラントは非常に長持ちする治療法と言えます。

ただし、この寿命は、使用するインプラント体の品質、歯科医師の技術レベル、治療環境、そして患者様のメンテナンスへの取り組みに大きく左右されます。世界的に評価の高いトップクラスのインプラントを使用し、経験豊富な歯科医師が治療を行い、患者様が適切なメンテナンスを継続することで、インプラントをより長く使用できる可能性が高まります。

インプラントの寿命を短くする要因

インプラントの寿命を縮める要因を知っておくことも重要です。

最も大きな要因は、不十分なメンテナンスです。口腔内の清掃が不十分だと、インプラント周囲炎のリスクが高まり、最悪の場合、インプラントが脱落してしまう恐れがあります。日常のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを怠らないことが、インプラントを長持ちさせる鍵となります。

歯ぎしりや食いしばりも、インプラントに過度な力をかけ、寿命を縮める原因になります。天然の歯には、噛む力や衝撃を吸収するクッションの役割を果たす歯根膜という組織がありますが、インプラントにはこの組織がありません。そのため、強い力が直接インプラントや周囲の骨に伝わり、ダメージを与える可能性があります。歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、ナイトガードの使用をお勧めします。

喫煙も、インプラントの残存率を低下させる要因です。タバコに含まれるニコチンは、血流を悪化させ、骨の治癒を妨げます。また、免疫機能を低下させるため、感染症のリスクも高まります。インプラント治療を受ける際は、禁煙することを強くお勧めします。

費用を抑えるための選択肢と医療費控除

全顎インプラント治療は高額な投資です。

しかし、いくつかの方法で費用負担を軽減することができます。また、医療費控除の制度を活用することで、実質的な負担額を減らすことも可能です。

All-on-4による費用削減効果

All-on-4は、費用を抑える最も効果的な選択肢の一つです。

従来の全顎インプラント治療では、片顎で8本から14本のインプラントが必要でしたが、All-on-4では4本から6本で済みます。インプラント本数が少ないため、インプラント体の費用、手術費用、上部構造の費用など、すべての項目で費用を削減できます。

また、骨造成手術が不要になることが多いため、その分の費用も節約できます。サイナスリフトのような大規模な骨造成手術は、10万円から25万円の追加費用がかかりますが、All-on-4ではこれを避けられる可能性が高いのです。

治療期間が短縮されることで、通院回数や交通費も削減できます。忙しい方にとって、時間的なコストの削減も大きなメリットです。All-on-4は、費用、時間、身体的負担のすべてを軽減できる、非常に効率的な治療法と言えます。

支払い方法の選択肢

当院では、患者様の経済的な負担を軽減するため、複数の支払い方法に対応しています。

現金での一括払いはもちろん、クレジットカード(VISA、MasterCard)でのお支払いも可能です。クレジットカードのポイントを活用することで、実質的な負担を減らすこともできます。

デンタルローンは、高額な治療費を分割して支払える便利な制度です。金利はかかりますが、月々の支払額を抑えることができるため、無理なく治療を受けることができます。デンタルローンの審査や手続きについては、当院のスタッフが丁寧にサポートしますので、お気軽にご相談ください。

医療費控除の活用

インプラント治療の費用は、医療費控除の対象となる場合があります。

医療費控除とは、自分自身や扶養家族が1年間に支払った医療費が10万円を超えた際に、その超えた分を年間の所得金額から控除できる制度です。これにより、所得税や住民税が軽減され、実質的な医療費の負担を減らすことができます。

インプラント治療は、一般的に医療費控除の対象となります。治療費だけでなく、通院のための交通費(公共交通機関の利用に限る)も対象になります。医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。治療費の領収書や交通費の記録を保管しておき、翌年の確定申告時に申告しましょう。

医療費控除の具体的な金額は、所得や支払った医療費の額によって異なります。詳しくは、税務署や税理士にご相談いただくか、国税庁のウェブサイトで確認してください。当院では、医療費控除に必要な領収書を発行していますので、大切に保管してください。

まとめ:最適な選択をするために

全顎インプラント治療は、失った歯の機能と見た目を回復し、生活の質を大きく向上させる可能性を持つ治療法です。

従来の方法では、片顎で280万円から840万円という高額な費用と、数ヶ月から1年という長い治療期間が必要でした。しかし、All-on-4という革新的な治療法により、費用を200万円から300万円程度に抑え、治療期間も大幅に短縮できるようになりました。手術当日に仮歯が入り、すぐに噛む機能を回復できることも、大きなメリットです。

インプラント治療の成功と長期的な安定には、使用するインプラント体の品質、歯科医師の技術と経験、そして患者様自身の適切なメンテナンスが不可欠です。世界的に評価の高いインプラントを使用し、豊富な経験を持つ歯科医師が治療を行い、患者様が日々のセルフケアと定期的なメンテナンスを継続することで、インプラントを10年以上、場合によってはそれ以上長く使用できる可能性が高まります。

費用面での不安がある方も、All-on-4による費用削減、デンタルローンの活用、医療費控除の適用などにより、負担を軽減できる方法があります。まずは無料カウンセリングで、ご自身の口腔内の状態を確認し、最適な治療法と費用について詳しく相談することをお勧めします。

インプラント治療は、単に歯を取り戻すだけでなく、食事の楽しみ、会話の自信、笑顔の喜びを取り戻す治療です。一人ひとりの患者様に最適な治療計画を立て、長期的に安定した口腔内環境を実現するために、私たちは全力でサポートします。

詳しい治療内容や費用、無料カウンセリングのご予約については、ぜひお気軽にお問い合わせください。インプラント治療 鈴木歯科医院では、500症例以上の経験を持つドクターが、患者様一人ひとりに最適な治療をご提案します。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。

2025年12月11日

     

インプラント難症例とは?骨造成・即時埋入など高度治療の対応方法

インプラント難症例とは何か

インプラント治療を検討される患者様の中には、「骨が足りない」「他院で断られた」といった経験をお持ちの方が少なくありません。

こうしたケースは一般的に「難症例」と呼ばれ、通常のインプラント治療では対応が難しいとされています。しかし、適切な診断と高度な技術があれば、多くの難症例でもインプラント治療は可能です。

難症例の定義は明確に定まっているわけではありませんが、主に骨量の不足、骨質の問題、解剖学的な制約、全身疾患の存在などが該当します。特に骨の高さや厚みが不足している場合、インプラント体を安定して埋入することが困難になり、追加の処置が必要となるのです。

千葉大学医学部附属病院での勤務経験を通じて、私は数多くの難症例に向き合ってきました。500症例以上のインプラント治療を行う中で、難症例への対応こそが患者様の人生を大きく変える可能性を持つと実感しています。

難症例が生じる主な原因

長期間の歯の欠損による骨吸収

歯を失った後、その部分の顎骨は徐々に吸収されていきます。

これは身体の自然な反応です。歯が存在していた時には、噛む力が骨に伝わり、骨の代謝が活発に行われていました。しかし歯がなくなると、その刺激が失われ、身体は「この骨は必要ない」と判断してしまうのです。

特に抜歯後3ヶ月から6ヶ月の間に骨吸収が急速に進行します。この期間を過ぎると吸収速度は緩やかになりますが、長期間放置すればするほど骨量は減少し続けます。結果として、インプラント埋入に必要な骨の高さや厚みが確保できなくなってしまうのです。

歯周病による骨の喪失

歯周病は日本人が歯を失う最大の原因です。

歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨が破壊されていきます。この破壊は不規則に進行するため、骨の形態が複雑になり、インプラント埋入の難易度が上がります。さらに、歯周病菌による感染のリスクも考慮しなければなりません。

歯周病で歯を失った場合、周囲の歯にも歯周病が存在している可能性が高く、インプラント治療の前に徹底した歯周病治療が必要になります。当院では、インプラント治療と並行して口腔内全体の健康管理を重視しています。

上顎洞の位置関係

上顎の奥歯の部分には、上顎洞という空洞が存在します。この上顎洞の位置が低い場合、インプラントを埋入するための骨の高さが不足することがあります。

上顎洞の形態や位置は個人差が大きく、CTによる詳細な診査が不可欠です。骨の高さが4mm以下の場合、通常のインプラント埋入は困難とされ、骨造成などの追加処置が必要になります。

骨造成による難症例への対応

GBR法(骨誘導再生法)

GBR法は、骨が不足している部位に骨補填材を填入し、特殊なメンブレン(膜)で覆うことで骨の再生を促す方法です。

この技術の原理は、骨の再生速度と歯肉の増殖速度の違いを利用しています。メンブレンによって歯肉の侵入を防ぎながら、骨芽細胞が骨補填材の周囲に集まり、新しい骨を形成していくのです。治癒期間は通常4ヶ月から6ヶ月程度必要となります。

当院では、患者様の骨の状態に応じて、自家骨と人工骨を適切な比率で混合して使用します。自家骨は患者様自身の骨を採取するため、生体親和性が非常に高く、骨の再生が促進されやすいという利点があります。

サイナスリフト

サイナスリフトは、上顎洞底を持ち上げて骨を造成する高度な技術です。

上顎の奥歯部分で骨の高さが著しく不足している場合に適用されます。歯肉を切開して骨に窓を開け、上顎洞粘膜を慎重に剥離しながら持ち上げ、その空間に骨補填材を填入します。5mm以上の骨の高さを獲得できる可能性がある一方で、手術の侵襲は比較的大きくなります。

千葉大学での研鑽を通じて、私はこの技術を数多く経験してきました。上顎洞粘膜の穿孔を防ぎながら、確実に骨造成を行うには、解剖学的知識と繊細な手技が求められます。

ソケットリフト

ソケットリフトは、サイナスリフトよりも低侵襲な骨造成法です。

インプラントを埋入する穴から専用器具を用いて上顎洞底を持ち上げ、骨補填材を填入します。歯肉の切開範囲が小さく、患者様の負担が軽減されるのが大きな利点です。ただし、適応できるのは骨の高さが5mm以上ある場合に限られます。

当院では、骨の状態を歯科用CTで精密に診断し、サイナスリフトとソケットリフトのどちらが適しているかを慎重に判断しています。

エキスパンジョン(骨拡大術)

骨の幅が不足している場合に用いられる技術です。

専用の器具を使用して骨を徐々に拡大し、インプラントを埋入するためのスペースを確保します。骨を削除するのではなく、圧縮しながら広げていくため、骨密度を維持しながら幅を獲得できるという特徴があります。

抜歯即時埋入インプラントの可能性

 

抜歯即時埋入のメリット

抜歯と同時にインプラントを埋入する方法が、抜歯即時埋入です。

この方法の最大の利点は、治療期間の大幅な短縮です。通常のインプラント治療では、抜歯後に骨の治癒を待つため3ヶ月から6ヶ月の期間が必要ですが、抜歯即時埋入ではこの待機期間が不要になります。結果として、患者様の通院回数も減少し、身体的・精神的な負担が軽減されます。

さらに、抜歯窩(歯を抜いた後の穴)にインプラントを埋入することで、骨の吸収を最小限に抑えることができます。特に前歯部では、審美性を維持する上で非常に重要な要素となります。

適応条件と注意点

抜歯即時埋入は、すべての症例に適用できるわけではありません。

適応の条件として、抜歯部位に急性の炎症がないこと、十分な骨量があること、初期固定が得られることなどが挙げられます。特に歯周病や根尖病巣による骨の破壊が大きい場合は、感染のリスクが高まるため、慎重な判断が必要です。

当院では、歯科用CTによる詳細な診査を行い、抜歯即時埋入の適応可否を判断しています。適応外と判断された場合でも、適切な治療計画を立案し、患者様にとって最善の方法をご提案します。

当院での実績

500症例以上の経験の中で、抜歯即時埋入は特に患者様の満足度が高い治療法の一つです。

治療期間の短縮だけでなく、手術回数が減ることで患者様の不安も軽減されます。ただし、この治療法は高度な技術と経験が必要であり、術前の綿密なシミュレーションと正確な埋入位置の決定が成功の鍵となります。

ガイデッドサージェリーによる精密治療

ガイデッドサージェリーとは

ガイデッドサージェリーは、CTデータをもとに作成したサージカルガイドを使用する治療法です。

事前のシミュレーションで決定した最適な位置・角度・深さに、正確にインプラントを埋入することができます。このガイドはマウスピース型のテンプレートで、患者様の口腔内に装着して使用します。ガイドに設けられた穴に沿ってドリリングを行うため、計画通りの位置にインプラントを埋入できるのです。

低侵襲治療の実現

ガイデッドサージェリーの大きな利点は、歯肉の切開範囲を最小限に抑えられることです。

従来の方法では、骨の形態を確認するために歯肉を大きく切開する必要がありました。しかしガイデッドサージェリーでは、事前のCT画像で骨の状態を把握しているため、必要最小限の切開で済みます。結果として、術後の痛みや腫れが大幅に軽減され、治癒期間も短縮されます。

患者様からは「思っていたよりも楽だった」という声を多くいただいています。

難症例における有用性

難症例では、インプラントの埋入位置や角度が特に重要になります。

骨が少ない部位では、わずかな位置のずれが治療の成否を左右します。ガイデッドサージェリーを用いることで、限られた骨の中で最適な位置にインプラントを埋入することが可能になるのです。当院では、難症例の多くでこの技術を活用しています。

全身疾患を持つ患者様への対応

糖尿病とインプラント治療

糖尿病をお持ちの患者様でも、血糖コントロールが良好であればインプラント治療は可能です。

HbA1cの値が7.0%以下にコントロールされていることが一つの目安となります。糖尿病は創傷治癒の遅延や感染リスクの増加といった問題がありますが、主治医との連携のもと、適切な管理を行えば安全に治療を進められます。

当院では、必要に応じて患者様の主治医と情報を共有し、全身状態を考慮した治療計画を立案しています。

骨粗鬆症の患者様

骨粗鬆症そのものは、インプラント治療の絶対的な禁忌ではありません。

ただし、ビスホスホネート製剤を服用されている場合は注意が必要です。この薬剤は骨の代謝を抑制するため、顎骨壊死のリスクがあります。服用期間や投与方法によってリスクは異なりますが、主治医と相談の上、休薬期間を設けるなどの対応を検討します。

心疾患のある患者様

心疾患をお持ちの患者様では、抗凝固薬の管理が重要になります。

近年では、抗凝固薬を継続したままでもインプラント手術が可能なケースが増えています。ただし、出血のリスクを考慮し、循環器科の主治医と連携しながら慎重に治療を進めます。当院では、静脈内鎮静法を用いることで、患者様の緊張を和らげ、循環器系への負担を軽減する配慮も行っています。

オールオン4による全顎治療

オールオン4の概要

オールオン4は、全ての歯を失った方、または失う予定の方に対する治療法です。

4本のインプラントで12本分の人工歯を支える画期的な方法で、従来の治療法に比べて患者様の負担を大幅に軽減できます。インプラントの本数が少ないため、手術時間の短縮、治療費の削減、身体への侵襲の軽減といった多くのメリットがあります。

骨造成を回避できる可能性

オールオン4の特徴は、インプラントを斜めに埋入することで、骨造成を回避できる可能性があることです。

後方のインプラントを傾斜させて埋入することで、上顎洞や下顎管といった解剖学的な制約を避けながら、長いインプラントを使用できます。これにより、骨量が不足している患者様でも、骨造成なしで治療できるケースがあります。

即日の歯の装着

オールオン4では、手術当日に仮歯を装着することが可能です。

朝に手術を行い、夕方には固定式の仮歯が入るため、「歯がない期間」がほとんどありません。食事や会話といった日常生活への影響を最小限に抑えられることは、患者様にとって大きな安心材料となります。ただし、仮歯の期間中は硬い食べ物を避けるなど、いくつかの注意点があります。

難症例治療における当院の強み

豊富な臨床経験

500症例以上のインプラント治療経験の中で、難症例への対応は私の専門分野の一つです。

千葉大学医学部附属病院での勤務時代、多くの複雑な症例に携わりました。大学病院には他院で治療が困難とされた患者様が紹介されてくることが多く、そこで培った知識と技術が、現在の診療の基盤となっています。

充実した医療設備

当院では、難症例に対応するための設備を整えています。

歯科用CTによる三次元的な診断、専用手術室での衛生的な環境、静脈内鎮静法による患者様の不安軽減など、安全で確実な治療を提供するための環境があります。特にCT画像による詳細な診断は、難症例治療の成否を左右する重要な要素です。

丁寧なカウンセリング

難症例の治療では、患者様との信頼関係が何より大切です。

治療の選択肢、それぞれのメリットとデメリット、治療期間、費用など、すべてを丁寧にご説明します。患者様が納得された上で治療を開始することが、成功への第一歩だと考えています。無料カウンセリングでは、歯科用CTの撮影も無料で行っていますので、まずはご自身の骨の状態を正確に把握することから始めましょう。

長期的なサポート体制

インプラント治療は、埋入して終わりではありません。

長期的に安定した状態を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。当院では、インプラント本体に10年間、上部構造に5年間の保証を設けています。また、定期的なメンテナンスを通じて、インプラント周囲炎などのトラブルを未然に防ぎ、患者様の口腔内の健康を長期的にサポートしています。

まとめ

インプラント難症例は、決して治療不可能ではありません。

骨造成、抜歯即時埋入、ガイデッドサージェリー、オールオン4など、現代の歯科医療には様々な選択肢があります。重要なのは、患者様一人ひとりの状態を正確に診断し、最適な治療法を選択することです。

他院で「インプラントは難しい」と言われた方も、諦める必要はありません。骨の状態、全身の健康状態、患者様のご希望などを総合的に判断し、可能な治療法をご提案いたします。

宇都宮で世界基準の歯科医療を提供したいという思いで、日々研鑽を重ねています。お口の健康を一緒に守っていきましょう。

インプラント治療でお悩みの方は、まずは無料カウンセリングをご利用ください。詳しい治療内容や当院の取り組みについては、インプラント治療 鈴木歯科医院の専門サイトをご覧ください。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。

2025年12月11日

     

骨が少ないインプラント治療は可能?骨造成の種類と成功のポイント

骨が少ないと診断されても、インプラント治療を諦める必要はありません

「骨の量が足りないので、インプラント治療は難しいですね」

他院でそう告げられ、落胆された経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。インプラント治療を希望していたのに、骨量不足を理由に断られてしまう。確かに、顎の骨が薄い、あるいは高さが足りない状態では、インプラント体を安定して埋入することが困難になります。

しかし、現代の歯科医療では「骨造成」という技術によって、骨が少ない方でもインプラント治療を受けられる可能性が大きく広がっています。骨造成とは、人工的に骨の量を増やす外科処置の総称です。適切な診断と高度な技術があれば、他院で断られた難症例にも対応できるケースは少なくありません。

私たち鈴木歯科医院では、500例を超えるインプラント治療の経験をもとに、エキスパンジョン、サイナスリフト、ソケットリフト、GBRといった多様な骨造成技術を駆使し、患者様一人ひとりの骨の状態に合わせた最適な治療計画をご提案しています。

なぜ骨が少なくなるのか?その原因を知ることが第一歩

インプラント治療において骨量が不足する原因は、実にさまざまです。

最も多いのが、歯を失ってから長期間放置してしまったケースです。歯が抜けた状態を放置すると、その部位の顎骨が吸収され、骨の高さや厚みが減少していきます。研究によれば、抜歯後1年以上経過した部位では、骨の断面積が約3分の1程度まで減少することが報告されています。特に歯ぐきの縁に近い部分での骨の横幅の減少が顕著で、断面が細く尖った三角形のような形になってしまうのです。

歯周病による骨の喪失

歯周病が進行すると、顎骨が溶けてしまい、インプラントを支える十分な骨がなくなります。歯周病は静かに進行する病気であり、気づいたときには骨の吸収がかなり進んでいることも珍しくありません。インプラントの固定が難しくなるため、骨を補う必要が生じるのです。

上顎洞の位置による制約

上顎の奥歯部分では、上顎洞という空洞が近くに存在します。上顎洞の位置が低い場合、インプラントが副鼻腔に侵入するリスクがあります。骨造成で骨量を増やすことで、インプラントを適切な位置に埋入できるようにする必要があります。

加齢や先天的な要因

年齢とともに骨密度が低下し、顎骨の強度や量が減少するため、インプラントの安定に必要な骨密度を補強する必要があります。また、元々顎骨が薄い、または密度が低い先天的な骨量不足の場合も、骨造成で必要な骨量を確保することで治療が可能となります。

これらの原因を正確に診断し、適切な骨造成の方法を選択することが、インプラント治療成功の鍵となります。

骨造成の種類と特徴:患者様の状態に合わせた最適な選択

骨造成には、いくつかの術式があります。それぞれに特徴があり、患者様の骨の状態や治療部位によって最適な方法が異なります。

GBR法(骨誘導再生法):広範囲の骨造成に対応

GBRとは、骨の厚みや高さが足りない場合に行う歯槽骨を再生する方法です。骨が欠損した部分では、骨を作る「骨芽細胞」よりも、骨にならない「線維芽細胞」の方が増殖しやすいという特徴があります。そのためGBRでは、骨形成の妨げになる繊維芽細胞の侵入を防ぐため、骨を増やしたい部分を「メンブレン」という人工膜で覆い、その中に自家骨や人工の骨補填材を詰めて骨芽細胞の増殖を促します。

当院では、患者様ご自身の骨を使用する自家骨移植、または人工骨材料を用いたGBR法を実施しています。骨量不足が小さい場合は、体内で吸収されるタイプのメンブレンを使用しますが、骨欠損が大きくたくさんの骨造成が必要な場合は、チタンで作られた非吸収性のメンブレンを使用することもあります。

サイナスリフト:上顎の骨が大幅に不足している場合に

サイナスリフトは、上顎の奥歯部分で骨の高さが大きく不足している場合に行う骨造成法です。上顎洞の底部を持ち上げ、そこに骨補填材を充填することで、インプラントを埋入するための十分な骨の高さを確保します。骨の高さが5mm未満の場合に適応されることが多く、治癒期間は4~9か月程度を要します。

ソケットリフト:低侵襲で行える骨造成

ソケットリフトは、上顎の骨がある程度の厚みを持ちつつ、軽度の不足がある場合に適用される方法です。インプラントを埋入する穴から器具を挿入し、上顎洞底部を押し上げながら骨補填材を充填します。サイナスリフトに比べて侵襲が少なく、腫れや痛みが軽減されるのが特徴です。治癒期間は3~6か月程度です。

エキスパンジョン:骨の幅を広げる技術

エキスパンジョンは、骨の幅が狭い場合に、特殊な器具を用いて骨を徐々に広げていく方法です。骨を削るのではなく、圧力をかけて広げることで、骨の密度を保ちながら必要な幅を確保できます。比較的低侵襲で、治癒期間も短いのが利点です。

これらの術式は、歯科用CTによる精密な診断をもとに、患者様の骨の状態、治療部位、全身の健康状態などを総合的に判断して選択されます。

骨造成の治療期間と流れ:何ヶ月かかるのか

骨造成を伴うインプラント治療では、通常のインプラント治療よりも期間が長くなります。

骨造成後、自家骨や骨補填材が骨として再生されるまで、数ヶ月間の治癒期間を待たなければなりません。個人差がありますが、歯槽骨の再生にはおよそ半年から10ヶ月ほどの期間がかかります。インプラントと骨をしっかり結合させるために、強い力や刺激を与えないよう患部の安静を保つ必要があるのです。

治療の流れ:段階的なアプローチ

まず、問診とカウンセリングで患者様のご希望や不安をお伺いします。次に、歯科用CTを使用した精密な診査・診断を行い、骨の状態を立体的に把握します。この診断結果をもとに、どの骨造成法が最適か、インプラントの埋入時期はいつが良いかなど、詳細な治療計画を立案します。

骨造成手術では、歯肉を切開し、骨が不足している部分に自家骨や骨補填材を充填します。メンブレンで覆い、歯肉を縫合して閉じます。その後、骨の再生を待つ治癒期間に入ります。この期間中は定期的に経過を観察し、骨の再生状況を確認します。

骨の再生が十分に行われ、インプラントと骨の結合を確認できた後、人工歯を取り付けます。周囲の歯との色やバランスを考えて製作した人工歯を装着し、微調整を加えて治療は完了です。

治療期間を短縮する工夫

当院では、抜歯と同時にインプラントを埋入する「抜歯即時埋入インプラント」にも対応しています。骨の状態が良好であれば、抜歯と同時に骨造成とインプラント埋入を行うことで、治療期間を短縮できる場合があります。ただし、すべてのケースで可能というわけではなく、精密な診断が必要です。

骨造成の成功率を高めるために:医院選びと術後ケア

骨造成の成功率は、施術経験や使用する材料によって大きく左右されます。

高度な技術や知識、テクニックが必要な治療のため、歯科医師により結果に差が出ます。当院では、千葉大学医学部附属病院での勤務経験を持ち、500例以上のインプラント治療経験を有する副院長が、一人ひとりの患者様に最適な治療計画をご提案しています。

精密診断の重要性

骨造成の成功には、術前の精密な診断が欠かせません。当院では、歯科用CTを使用して、骨の厚みや形態、神経・血管の位置を詳細に分析します。どの位置に、どの角度で、どの長さのインプラントを、どのタイミングで埋入するかまで正確に判断するため、精密診断を最も重視しています。

充実した医療設備

当院では、医療用空気清浄機を備えた専用手術室、口腔外バキューム、炭酸ガスレーザーなどを完備し、精密な診断と衛生的な治療環境を提供しています。プライバシーに配慮した個室の診療室も設けられており、患者様が安心して治療に臨んでいただける環境を整えています。

術後のケアとメインテナンス

骨造成後の治癒がうまくいかない恐れがある場合もあります。喫煙などの習慣や全身疾患をお持ちの場合は、事前にご相談ください。術後は、手術した箇所に傷をつけたり刺激を与えたりしないように注意が必要です。また、インプラント治療後のメインテナンスは非常に重要です。正しいアフターケアを行うことで、インプラントを長く保ち、トラブルを未然に防ぐことができます。

定期的な健診では、インプラント周囲炎の予防と清潔な口腔環境の維持に努めます。当院では、インプラント本体に10年間、上部構造に5年間の無償保証を提供しており、長期的な視点でサポートさせていただきます。

費用と医療費控除:治療にかかる経済的負担について

骨造成を伴うインプラント治療は、通常のインプラント治療よりも費用がかかります。

骨造成の治療費用は、術式や使用する材料、骨造成が必要な範囲によって異なります。一般的に、GBR法で数万円から十数万円、サイナスリフトで十数万円から数十万円程度が相場とされています。これにインプラント本体と上部構造の費用が加わります。

医療費控除の活用

インプラント治療に関連する費用は、医療費控除の対象となることがあります。医療費控除は、自分自身や扶養家族が1年間に支払った医療費が10万円を超えた際に、その超えた分を年間の所得金額から控除できる制度です。確定申告の際に申請することで、税金の還付を受けることができます。

支払い方法の選択肢

当院では、現金、クレジットカード(VISA、MasterCard)、デンタルローンでのお支払いが可能です。デンタルローンを利用することで、治療費を分割してお支払いいただけるため、経済的な負担を軽減することができます。詳しくは受付までお尋ねください。

まとめ:骨が少なくても、インプラント治療の可能性は広がっています

骨が少ないと診断されても、骨造成という技術によって、インプラント治療を受けられる可能性は大きく広がっています。GBR法、サイナスリフト、ソケットリフト、エキスパンジョンなど、患者様の骨の状態に合わせた最適な術式を選択することで、他院で断られた難症例にも対応できるケースは少なくありません。

治療期間は通常よりも長くなりますが、精密な診断と高度な技術、そして適切な術後ケアによって、長期的に安定したインプラント治療を実現することができます。当院では、500例を超える経験をもとに、一人ひとりの患者様に寄り添った治療をご提供しています。

骨が少ないことでインプラント治療を諦めかけている方、他院で断られてしまった方も、まずは一度ご相談ください。歯科用CTによる無料診断も行っておりますので、お気軽にお問い合わせいただければと思います。

お口の健康を一緒に守っていきましょう。

インプラント治療 鈴木歯科医院では、無料カウンセリングを実施しております。骨造成やインプラント治療について、詳しくお知りになりたい方は、ぜひ当院までご相談ください。

監修医師

鈴木歯科医院 副院長 鈴木 寿和 先生

経歴

宇都宮大学教育学部附属中学校 卒業

宇都宮高校 卒業

昭和大学歯学部 卒業

千葉大学医学部大学院 卒業 (医学博士)

千葉大学医学部附属病院 歯科・顎・口腔外科 医員

安藤歯科 インプラントセンター東京 勤務

オーキッド歯科クリニック 勤務

オーキッド歯科クリニック 本院 院長就任

鈴木歯科医院 副院長 就任

所属

公益社団法人日本口腔インプラント学会

国際口腔インプラント学会

挨拶

はじめまして。 鈴木歯科医院 副院長の鈴木寿和です。 千葉大学附属病院と横浜、銀座のクリニックで世界水準の歯科医療を学び、後輩の歯科医師の教育に携わる中で、地元の宇都宮でも世界基準の医療を提供したいと思い地元に戻って参りました。 自分が受けたい治療を提供する事をモットーに日々研鑽しておりますので、お口の健康を一緒に守っていきましょう。